12月号
第2回 神戸ティーフェスティバル開催!
日本における紅茶文化発祥の地・神戸で新しい〈紅茶文化〉を体験
インタビュー 和久みどり さん
日本紅茶協会認定ティーインストラクター
神戸とイギリスの紅茶文化
12月8日(金)~10日(日)の3日間、神戸メリケンパークをメイン会場に、「第2回神戸ティーフェスティバル」が開催されます。 私は、神戸市内の大学に在学中、フランス菓子作りを学んでいたのですが、その教室でフレーバードティーをいただいたのが衝撃的で、以降、紅茶の文化に惹かれて日本紅茶協会認定ティーインストラクターの資格を取得しました。そして、今回の「第2回神戸ティーフェスティバル」のお手伝いをさせていただいております。
神戸は今年、開港150周年を迎えています。開港当時、神戸には多くのイギリス人が移り住み、イギリス文化のひとつである「紅茶」の文化も神戸にもたらされました。また、イギリスの紅茶メーカー・リプトン社が日本で初めて、紅茶の製造を依頼したのが現在の神戸紅茶の前身である須藤信治商店です。神戸紅茶さんは、昭和36年には、日本初となるティーバッグを作る機械・コンスタンタをドイツから導入されました。それまでは、手作りで作られていたティーバッグですから、生産性はグンと上がりました。これも神戸が紅茶の玄関口となった事の一つかと思います。神戸は紅茶の文化との関わりが他の地域より深く、日本における紅茶文化発信の地ともいえるでしょう。
実際、神戸は紅茶の消費量が多く、2010年までは全国で第一位を誇っていました。このようなティーフェスティバルは東京を中心に開催され、その後、地方でも開催されるようになり、神戸で初の規模となる第1回目が今年1月に開かれました。3日間で約1万5000人の方が来場してくださいましたが、驚いたのは家族や子ども連れの若いご夫婦など、ファミリーのお客様がとても多かったことです。東京でのフェスティバルは専門性が高く、どちらかといえば紅茶好きのコアなファンの方が多く訪れる印象でしたので、神戸は一般のご家庭で紅茶が親しまれていることの表れなのかもしれないと感じました。
新しい紅茶体験を
そんな第2回神戸ティーフェスティバルでは、数種類の茶葉の違いを飲み比べる体験「TEASTING」をはじめ、日本で栽培された茶葉の紅茶「和紅茶」をご紹介するブースなどさまざまな企画をご用意しました。神戸でおなじみの神戸紅茶、ドイツの紅茶を扱う元町のLakshimi、三宮に本社を置くイギリスのアーマッドティーなど地元のティーショップや、横浜でスリランカの紅茶を専門に扱っているMitsutea、京都の和束紅茶など各地で人気のティーショップや、パン、スイーツ店も出店します。
ティーチケット(1000円)をご購入いただくと、お好きなティーショップ5店の紅茶と、「TEASTING」が楽しめます。サー・トーマス・リプトンによる世界の高名な産地から厳選された紅茶の味わいや香りを飲み比べる新しい紅茶体験「TEASTING」は、ようかんやアーモンドといったさまざまな食材と紅茶のペアリングも楽しんでいただけます。ツイッターやインスタグラムで写真などを投稿していただくと、先着順でプレゼントがもらえる企画も実施します。
神戸メリケンパークのメイン会場をはじめ、神戸空港や三宮センター街一丁目など5か所にスタンドを設け、それぞれに違う茶葉を楽しんでいただけますので、ショッピングを楽しみながら「TEASTING」を体験することもできます。
また今回注目していただきたいのは国産の紅茶「和紅茶」。意外に思われるかもしれませんが、日本では明治政府が紅茶作りの研究を推進し、明治時代から紅茶が作られています。現在でも静岡や京都、九州などをはじめとして全国で作られており、各地の作り手が紹介する国産の香り高い紅茶をぜひ味わってみてください。
最近では男性の方でも紅茶に親しまれる方が増えてきました。普段、紅茶専門店には少し入りにくいなと思われている方でも、気軽に参加し世界の紅茶や日本の紅茶を楽しんだり紅茶セミナーで学んでいただけるフェスティバルですので、ぜひ皆さまお越しください。
和久みどり
紅茶サロンTea&Cake Midori W.主宰 日本紅茶協会認定ティーインストラクター 紅茶専門店マネージャー経験を経てインストラクター取得