7月号

日本酒×カクテルによる新たな価値創造
灘から世界へ、日本酒カクテル文化を発信。
清酒「福寿」の蔵元として知られる神戸酒心館で5月17日、日本酒カクテルのコンペティション「FUKUJU Sake Cocktail Competition 2026」の決勝大会が開催された。日本酒とカクテルという異なる文化を掛け合わせ、新たな価値を生み出すことを目的とした本大会は、今年で2回目を迎える。

優勝した山平鉄心氏と審査員の皆さん。SAVOY hommageの森﨑和哉氏、神戸酒心館 代表取締役社長 安福武之助氏、同代表取締役副社長 久保田博信氏、Sake Experience Japan 代表取締役 井谷健氏、同マーケティング担当役員 加藤寛之氏

プレゼンしながらカクテルを制作

厳正なる審査を行う

来場者も試飲し一般投票を行う
「福寿」を纏った5つの新しい一杯
フルーティーな「福寿 純米吟醸」と辛口でキレとミネラル感が際立つ「福寿 純米 酒御影郷」の2種を使用。出品作品は各バーテンダーが勤めるバーで提供(期間などは店舗にご確認ください)。
主催する神戸酒心館 代表取締役社長・安福武之助氏は、「お酒の楽しみ方が多様化する中で、バーテンダーの発想や技術が日本酒の新しい魅力を広げてくれることを期待している。外国文化を受け入れ発展してきた港町であり、豊かなバー文化のある神戸でコンペを開催し、カクテルを通して日本酒の新しい楽しみ方を世界に発信をしていきたい」と挨拶。神戸空港の国際化や大型クルーズ船の寄港増加など、海外からの来訪者が増える神戸において、日本酒を“文化”として再定義し、未来へつなぐ狙いがある。
今年は全国から20名の応募があり、書類審査を経て5名が決勝へ進出。世界的コンテストで優勝経験のある「SAVOY hommage」の森﨑和哉氏を審査委員長に迎え、5名の審査員と50名の一般観覧者が見守る中、ファイナリストたちはプレゼンテーションと実技を披露。個性豊かな5つのカクテルが並ぶなか、頂点に立ったのはザ・リッツ・カールトン大阪の山平鉄心氏だ。山平氏の作品「梅鶯(ばいおう)」は、「福寿 純米酒 御影郷」に「福寿 本格梅酒 熟成原酒」をあわせ、「梅に鶯」を表現。日本酒を主役に据えるため、柚の香りが主張しすぎないバランス調整に苦心したという。日本酒カクテルの考案もコンペ出場も初めてという山平氏は、「右も左もわからない状態で挑んだので、優勝は本当にうれしい」と語った。
森﨑氏は評価ポイントとして、日本酒の香りが立ち上がり、余韻に心地よい日本酒感が残る“起承転結”のある設計を評価。「冒頭のインパクト」「日本酒の存在感」「カクテルとしてのミックスの楽しさ」を満たし、日本酒の魅力を損なわずに新しい表現へ昇華した点が決め手となった。
今回生まれた5つのカクテルは、いずれも各バーテンダーが所属するバーで提供予定。日本酒をストレートで楽しむだけでなく、カクテルという形で飲用機会を広げたいと考える神戸酒心館の挑戦は、着実に成果を上げつつある。2回目の開催も盛況となり、「日本酒カクテル」という新たなカテゴリーが定着していく未来を感じさせる大会であった。
優勝
【作品名】 梅鶯
山平鉄心氏
ことわざ「梅に鶯」の吉兆を一杯に可視化。「御影郷」に「福寿 熟成本格梅酒」の甘酸を重ね、梅ハニップで奥行きを加えた。鶯の羽ばたきを模したガーニッシュに、福寿が歩んだ復興の歴史へのオマージュを込めている。


山平鉄心氏
The Ritz-Carlton,Osaka「The Bar」
(大阪市北区梅田2-5-25 5F)
【作品名】 Marine Salute
近藤正人氏
「純米吟醸」にブルーキュラソーとライムを合わせ、金粉で祝杯感を演出。
神戸港の国際性を重ねた“海の祝杯”は観覧者投票で最多人気に。


近藤正人氏
Tomi’s BAR
(神戸市中央区東川崎町1-6-1
神戸ハーバーランドumie モザイク1F)
【作品名】 継水(KEISUI)
花岡亮汰氏
冷やしと常温、二層の「純米吟醸」が時間とともに香りを変え、宮水の力を表現。
震災を越えて受け継がれた技と水の物語を描いた。


花岡亮汰氏
XEX WEST/The Bar
(大阪市北区梅田2-2-22 ハービスエント7F)
【作品名】 桜煙〜おうえん〜
小野右京氏
「御影郷」に丹波篠山の黒豆茶を重ね、桜チップで軽くスモーク。
土地の恵みと神戸への“応援”をテーマに仕上げた一杯。


小野右京氏
Bar HONOR
(神戸市中央区中山手通1-16-9
クリスタルタワー4F)
【作品名】 みなと彩(みなといろ)
小笠原一茶氏
「純米吟醸」にパインジュースと「福寿 酒粕」を合わせ、「福寿 発泡純米酒
あわ咲き」で仕上げ。港町の彩りと福寿の由来「福禄寿」を素材で体現。














