2016年
3月号
これぞ神戸のソウルフード「火鍋」(ホーコー)

神戸のカクシボタン 第二十七回「新開地に行くなら~」

カテゴリ:グルメ, 神戸

写真/文 岡 力

 「ホーコー鍋、食べに行きませんか?」と信頼のおける舌を持った人物からお誘いを受ける。「行く!」と即答したが、実際のところ料理のジャンルも理解しないまま現地で待ち合わせをすることになった。新開地駅で下車、白い息を吐きながら徒歩で目的地を目指す。鍋の漢字が「奉公」なのか「芳香」なのかと考えているうちに到着。そこは情緒溢れる歓楽街の真ん中にひっそりと佇む一軒のお店だった。
 昭和31年創業の「はとや」は、地元民に愛される中華料理店である。
 店内に入ると提供して45年になるオリジナル鍋がテーブルに運ばれる。「火鍋」と書いて「ホーコー」と読む想定外の答え。ドーナツ型の大鍋に野菜、肉類、魚介といった様々な具材がひしめき合う豪華絢爛なビジュアルである。この時点で「美味しそう」ではなく「美味しい」と断言できる。早速、コンロに火を入れグツグツと煮込む。その間、サイドメニューとして勧められた料理が運ばれる。まずは、神戸風味噌だれ餃子。大きくこんがり焼かれており味も絶品である。続いて竜田揚げ風のからあげ。シンプルな味付け、サクサクの食感がやみつきになる。この時点でビールがかなりすすむ。やがて念願の鍋が完成する。中華風でありながら和風ともいえる優しい出汁。食べていくうちに具材から染み出たエキスにより味が変化していく。他の鍋であれば脇役ともいえる春雨や肉団子も存在感を発揮、最後に「キング オブ 〆」ともいえる麺が投入され完璧な仕事をする。身も心も温まったところで一言。新開地に行くなら、「はとや」に決めた!

これぞ神戸のソウルフード「火鍋」(ホーコー)


骨付き肉のジューシーな味わい


■はとや

神戸市兵庫区西橘通2丁目2-5
営業時間 17時30分〜24時
定休日:日曜日 電話:078‐575‐5946

■岡力(おか りき)コラムニスト

ふるさとが神戸市垂水区。著書「アホと呼ばれた’80S」「噂の内股シェフ」「関西トラウマ図鑑」連載「大阪ロマン紀行」(大阪日日新聞)出演「おちゃのこSaiSai」(J:COMチャンネル)「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)

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