2017年
2月号
明治元年頃の神戸の地図。当時の人口はわずか3600人であった。『こうべ元町100年』より

神戸の「元」となった「町」 神戸元町商店街

カテゴリ:おすすめスポット, 神戸

今年開港150年を迎えた神戸港。港町のハイカラ文化を醸成し、
賑わいの中心を担ってきた神戸元町商店街のあゆみを振り返ってみよう。

大名行列が通った道

神戸の都心に位置し、アクセスも良好な神戸元町商店街は長さ約1.2㎞、約300ものお店が並ぶ神戸を代表する商店街だが、実は140年以上の歴史があり、その源流をたどると「元からあった町」、そして「神戸の元になった町」ということがわかる。
現在の商店街の通りは、実は由緒ある道。平安時代に山陽道として整備された京都と下関を結ぶ重要な街道で、近世からは西国街道とよばれ、「下にぃ~、下にぃ~」と大名行列も通った。
江戸時代末期、このあたりには神戸村、二つ茶屋村、走水村という3つの村があり、220戸が軒を連ね、街道沿いにはいろいろなお店が並んでいたようだ。
この賑わいがやがて商店街へと発展していく。神戸が開港すると外国人居留地ができ、その周辺に小売店が集積。西国街道沿いにも人が集まりさらに発展し、明治5年(1874)5月20日にその一帯が兵庫県令・神田孝平の命によりにより「元町通」と改称されたが、この日が神戸元町商店街のアニバーサリーとされている。
明治16年(1883)頃からは商店街あげての誓文払い(バーゲン)がおこなわれ大いに賑わったという。

すずらん灯の煌めき

神戸元町商店街のシンボルと言えば「すずらん灯」だ。明治27年(1894)に通りが拡幅され、さらに大正2年(1913)にアスファルト舗装が施されて、神戸元町商店街は第一次世界大戦の好景気で繁栄した神戸を代表する商業地区へと成長したが、より魅力ある商店街を目指して大正15年(1926)、すずらんのような形のアール・ヌーヴォー調の街灯「すずらん灯」が設けられた。10メートル間隔で約200本も設置され、左右の灯が重なって光のアーチになっていたそうだ。長らく元町を訪ねる人々に愛されてきたが、戦時中の金属供出で惜しまれつつ姿を消した。しかし戦後、大きさこそ半分になったものの、各丁ごと違うデザインで復活して今に至っている。
戦前、「元ブラ」という言葉も生まれたくらい賑わった神戸元町商店街も、戦時中は幾たびもの空襲に遭って壊滅的な被害を受けてしまう。しかし、そこから不死鳥のように甦った。3丁目では「街は共同経営」を合言葉に店主たちがまとまり、航空機用のジュラルミンを通りに面して張り巡らせた店舗を再建。「ジュラルミン街」として敗戦からわずか1年2か月で復興させ、戦後の混乱の中で平和と希望の象徴として輝きを放った。ジュラルミン街の話題は、天皇陛下の耳にまで届いたという。

まちづくりへの情熱

その後、昭和28年(1953)よりアーケードが整備され、高度経済成長の波にも乗り再び活気を取り戻した。しかし、平成7年(1995)1月17日、阪神・淡路大震災が襲う。23店舗が全半壊の被害を受け、インフラが途絶する中、店舗はいち早く復興し、交通要路として利用する人たちのために24時間街灯を点灯し続けた。その後は震災の教訓を受け、防災マップの作成など危機管理にも積極的に取り組んでいる。
現在の神戸元町商店街は、賑わいの中にもどこか落ち着いた雰囲気が漂っているが、そんな独特の〝元町らしさ〟の秘密は、まちづくりと景観にある。平成15年(2003)に定められた「神戸元町商店街景観形成市民協定」により「高級感」「ハイカラ」「エレガント」をキーワードとしたまちづくりがおこなわれ、建築物や看板などにもルールを策定。各店舗もオシャレなお店づくりに務め、清掃や緑化にも精力的だ。
平成21年(2009)にはデザインとネーミングは公募してマスコットキャラクター「もとずきんちゃん」が誕生。街のシンボル「すずらん灯」をモチーフにしたずきんと、愛らしいまんまるお目々の女の子で、元町の人気者として街の活性化にも大きく貢献している。

受け継がれる進取の気風

そして今、神戸元町商店街は魅力に満ちた商店街として親しまれ、地元の人はもちろん、国内外から多くの人たちが訪ねてくる。
季節のイベントのほか、定期的に通年おこなわれるイベントもあり、いつ来ても楽しい。4~5月の「元町児童絵画コンクール展」、5月の「元町の芸術家たち展」、7月の「元町夜市」、10月の「神戸元町ミュージックウィーク」や「ハロウィン」など、商店街全体で盛り上がるものから各丁ごと開催されるユニークなものまで、さまざまなイベントを開催している。
老舗が元気なのも神戸元町商店街の魅力のひとつだ。明治時代から続くお店が16店舗、100年以上の老舗も創業149年の赤壁商店を筆頭に、創業147年の平村写真館、創業144年の亀井堂総本店などなんと約20店舗もある。洋菓子、洋服、写真、美容室など、当時の先端だった業種で老舗が多いのは、元町が進取の気風に満ちていたからなのだろう。今もその気風は受け継がれ、新しいお店もいろいろオープン。新旧のお店が融和する「新しくて懐かしい」街は、ぶらり歩くだけでも時空を旅するような気分になれる。さあ、神戸元町商店街へ出かけよう!

平安時代に山陽道として整備された街道跡が、現在の元町商店街の通りになっている

昭和46年に発行された『こうべ元町100年』。表紙には、明治時代の誓文払い(バーゲン)の様子が描かれている

元町商店街の象徴でもある「すずらん灯」。各丁ごとに違うデザインとなっている

明治16年(1883)には、誓文払い(バーゲン)を開催した

大正15年(1926)に設けられたアール・ヌーヴォー調の街灯「すずらん灯」

戦後間もなく、航空機用のジュラルミンで店舗を再建。「ジュラ街」として親しまれた

明治元年頃の神戸の地図。当時の人口はわずか3600人であった。『こうべ元町100年』より

放香堂は明治初期に日本で初めてコーヒー豆を輸入、日本初の喫茶店をオープンさせた

神戸開港150年を迎えた。赤壁商店は創業149年を誇る

大正10年(1921)、神戸開港50周年記念祝賀風景の写真。元町3丁目。
『こうべ元町100年』より

平成21年には、公募によりマスコットキャラクター「もとずきんちゃん」が誕生

7月に開催される「元町夜市」は、夏の風物詩

神戸元町商店街の公式ホームページが、2月1日よりリニューアルされます!神戸元町商店街にまつわるユニークなエピソードやトリビアが満載です!是非とも、ご覧くださいね!
http://www.kobe-motomachi.or.jp/

神戸元町商店街連合会

〒650-0022 神戸市中央区元町通3丁目13-1
TEL/FAX(078)391-0831

〈2017年2月号〉
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