2011年
10月号
日本クルーズ客船株式会社が運航する「ぱしふぃっく びいなす」

連載第二回 神戸発ときめきクルーズ

カテゴリ:観光

神戸市商店街連合会・
神戸元町商店街連合会 会長
株式会社ナラヤマ取締役
奈良山 喬一さん
  ×
日本クルーズ客船株式会社
代表取締役社長
入谷 泰生さん

―奈良山会長とクルーズの関係は?
奈良山 数年前、みなと元町タウン協議会が発行するタウンニュースで、国土交通省神戸運輸監理部長と対談する機会がありました。「神戸港には船が少ない、これはいかん!もっと港を活性化しなくては」という話になりました。神戸市としても、中突堤に乗降デッキも完成して5万トンまで接岸できるようになり、クルーズ船誘致に力を入れようということでした。そこで、自分も乗ってみないと分からないと、家内と2人で瀬戸内海クルーズに出かけました。すると家内がとても気に入り、それ以来クルーズファンです。
―ぱしふぃっく びいなすはいかがですか。
奈良山 3回乗せていただいています。一昨年も正月に兄弟が集まり、「どこかへ行こう」と相談していた折に、たまたま置いてあった、びいなす倶楽部会員誌「ふれんどしっぷ」を見て、すぐに話がまとまり神戸から横浜へのクルーズが決まりました。この冊子は宣伝っぽくなく、見ているだけでも楽しくてとてもいいですね。
 船内はフレンドリーな雰囲気で、家内共々とても気に入っています。期間が短いクルーズで気楽に乗れるのもいいですね。
―入谷社長からセールスポイントを教えて下さい。
入谷 クルーズというと敷居が高くて堅苦しいというイメージをお持ちの方が多いのですが、とりあえず乗っていただかなくては分からないものです。そこで、「我が家のつもりで気楽にお過ごしください」と、フレンドリーを打ち出しています。ただし客船ですから、日常にない発見や驚きのエンタテイメントも提供しなくてはいけません。「フレンドリー&エキサイティング」です。クルーズで一番の楽しみはやはりお食事です。ぱしふぃっく びいなすの和食、フレンチはどちらも大変ご好評いただいています。
―今年は神戸港へ34回寄港ということですが、神戸港の使い勝手はいかがですか?
入谷 神戸港はハード、ソフトともに整っていて、みなと総局さんにはその両面でご協力、ご支援いただいています。電車などアクセスも良く、賑やかな場所ですから、お客さまにも喜んでいただけるだけでなく、当社としては宣伝効果も期待しています。
―瀬戸内海航路はいかがですか。
入谷 穏やかで天候が安定しています。多島海ですから風景も良く、クルーズには最適なコースです。
―港からは元町商店街へのアクセスも良いですね。
奈良山 神戸港と元町地域がさびれてきていましたが、元町地域だけで活性化するのはちょっとしんどい。そこで、港と地域が一緒になって活性化しようとここ10年進めてきました。神戸市さんからの要望は、第四突堤に寄港する外国のクルーズ客船の歓迎ということでした。そこで、第四突堤に元町から出店したり、20分間隔でシャトルバスを運行したりしました。遠くへ観光に出かけず船に残っているお客さまに、ゆっくり散策してもらうには元町地域はとても良いロケーションです。国内のクルーズ船については、神戸港を母港にしていただきたいというのが、我々の今の希望です。それが地域の活性化につながると思っています。
―日本クルーズ客船さんとしてはいかがですか。
入谷 神戸は街までが近く、短時間で出られるのは大きな強みですね。東京方面からのお客さまが神戸観光できるように停泊時間を長くするなど、当社としても検討の余地はあると思います。
―クルーズ船にはドレスコードがあるということですが、服装も楽しもうということですか。
入谷 海外の習慣を取り入れて、日によってフォーマルとカジュアルを設定しています。ぱしふぃっく びいなすではカジュアルが多く、特に短いクルーズはカジュアル、あるいはインフォーマルでという方針です。あまり堅苦しい制約はありませんが、ドレスコードはご本人のためだけでなく他の人への気遣いという意味もあり、大事なことではあると思っています。長いクルーズになると、それを楽しみにしている方もいらっしゃいます。特に女性のお客さまは…。荷物は多くなりますが、今は宅配便がありますから楽になりましたね。
奈良山 「長期クルーズに出かけるので」と私どもの店に来られるお客さまもおられますよ。私が思うに、最近は日本人の服装がルーズになってきたようです。クルーズ船に乗ることで、服装をきちんとしようという気持ちが生まれます。クルーズ船が発達すれば、日本人の服装のレベルも上がるのではないでしょうか。それが、ファッション関係のお店の売り上げにつながれば、なおうれしいことです。
―10月から年始に向けて、神戸発着クルーズのお勧めは?
入谷 クリスマスはワンナイトクルーズ、年末・年始は横浜を出発して神戸に寄港し、沖縄から台湾へ向かう定番クルーズを予定しています。年明けには、神戸から瀬戸内海を通り九州への初詣クルーズを企画しています。
―今後のぱしふぃっく びいなすへの期待は?
奈良山 先日、いつもは飛行機で行く五島列島へクルーズ船で行ってきました。飛行機で降り立つ時とはまた違った地域の発見ができました。来年の「平清盛」関連でも、クルーズならではの企画をお願いしたいと思います。
―平清盛、いかがですか?
入谷 社内で検討は始めていますが、まだ具体化はできていない段階です。
―日本外航客船協会の会長も務められている入谷社長ですが、日本のクルーズの状況は?
入谷 データ上でのクルーズ人口はあまり増えていません。しかし、日々仕事をしていて感じるのは、確実に新しいお客さまが増えてきているということです。乗られたお客さまの満足度が高いというのが最もうれしいことです。
―今後のぱしふぃっく びいなすについて。
入谷 クルーズの目的の半分は目的地での観光、半分は船上で過ごすことです。新しい目的地を開拓してリピーターのお客さまにご利用いただく、船内のエンタテイメントの新しいテーマを開拓する。この2つのバランスをうまく取っていきたいと考えています。
奈良山 ぱしふぃっく びいなすは、目的地での旅行の企画がいいですよ。ゆっくりする、意欲的に観光するなどのコースも選べます。服装も、カジュアルな中にちょっとお洒落にも工夫するなど、気楽に乗れる楽しみがありますね。
インタビュー 本誌・森岡一孝

奈良山 喬一(ならやま きょういち)

神戸市商店街連合会・
神戸元町商店街連合会 会長
株式会社ナラヤマ取締役
1955年、神戸商科大学卒業。同年、株式会社ナラヤマ代表取締役社長に就任。1997年、神戸元町商店街連合会会長に就任。2004年、兵庫県繊維品小売商業組合理事長に就任。2010年、神戸市商店街連合会会長に就任。

入谷 泰生(いりたに やすお)

日本クルーズ客船株式会社代表取締役社長
1969年、京都大学卒業。1970年、新日本海フェリー株式会社入社。1989年、日本クルーズ客船株式会社代表取締役社長に就任(現職)。1994年、新日本海フェリー株式会社代表取締役社長に就任(現職)。2011年、日本外航客船協会会長に就任(現職)。

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