2017年
12月号
12月号
二人の情熱がぶつかり合う“未踏”の作品|第三回 芦屋神社芸術祭
1954年に芦屋で誕生した前衛美術グループ、具体美術協会。前衛画家・吉原治良を中心に、嶋本昭三、白髪一雄、元永定正などのアーティストが多数在籍したことでも知られている。彼らの作品は、日本国内はもとより、世界的に大きな評価を得ている。現代芸術家の堀尾貞治さんも具体美術協会の出身の一人で、現在もパフォーマー・アートの先駆者として、第一線で活躍している。
去る10月22日から29日まで、第三回芦屋神社芸術祭が同社で開催された。陶芸家の劉長煒さん(神戸市在住)の「陶(とう)+(トータス)XXXV」と堀尾貞治さんの「あたりまえのこと」のコラボレーション作品約100点が披露され、大きな反響を呼んだ。
堀尾さんは、日常の「あたりまえ」をいかに表現するかをテーマに挑戦を続けている。劉さんは、神戸生まれの在日華僑3世。自らの陶器の造形に、100人のアーティストに絵や字などを描いてもらうコラボ創作を続けている。
初日の22日には、オープニング・パフォーマンスとして、キャンパスの上に、劉さんが作製した陶器を並べ、その上から豪快に筆を使い墨汁で作品を表現する「ライブ・ペインティング」の実演などを行った。二人のアーティストの情熱がぶつかり合い、生み出される“未踏”の作品に来場者も圧倒された。