12月号
全国791カ所ライブがここから始まる:「クラブ月世界」ファイナルステージ
「あなたの歌声をCMソングで聴きました。きっと神戸に似合うと思います」という波戸岡正章さん(ハットン)からの1本のメールで始まった「小関ミオHYOGO100Love♡Liveツアー」。ファイナルの舞台は11月10日「クラブ月世界」。ミオさんが初めて神戸に来たその日に決まったというこの会場は半世紀近くの歴史を持ち、たくさんの歌い手たちがステージに立ち多くのドラマが生まれた。「今まで経験したことがない大きなステージ。その上、半円型という特殊な構造の舞台と客席。ここで私にライブができるのだろうか」と不安いっぱいだったというミオさん。ここに至るまでに協力、応援してくれた人たちやお店、そして118回目となった感動のファイナルステージをご紹介します。
埋め尽くされた客席。180人の観客がざわざわしながら「今か、今か…」とミオさんの登場を待っていた。アーティスト・小関ミオを見出し、100回以上のライブをプロデュースしてきたハットンは不思議な雰囲気を感じたという。上手い、すごいライブは数多く見てきたが、「これほど感動するライブを見たのは初めて」。一人の歌手の本気度を信じ、ギタリストの六嶋啓太をはじめ、ピアニスト、ベーシスト、裏方スタッフたちが兵庫県を北から南まで共に歩いてきた。月世界のステージを目指して高めてきたモチベーションが情熱になり爆発した。
重いリュックを背負い、自転車にまたがり走った神戸初日の思い出「自転車とラジオ」。みんな優しい、でも家が恋しい。そんな時の思いを「逢いたい」に託し、ステージを下り〝逢いたかった〟ご両親の元へ。新曲「DANSERDANSER」、15秒で人生を変えたCMソング「見慣れた景色と物語」は作者のうっしーを迎えて。そして会場いっぱいの拍手と「アンコール!」の声。選んだのは「どうしても歌いたくてご本人の許可を得た」という美輪明宏訳詩「愛の賛歌」。どこか頼りなげだけど熱く秘めた恋心。聴く人全員が小関ミオの愛の世界にひたった。
「自分すら信じられなかった私に人を信じることを教えてくれた仲間たち、そして神戸の人たちに感謝します」。抑え切れない涙が溢れた。ハットンから「ファイナルではない。全国791カ所ツアーの始まり!」宣言もあった。「どこにいても歌を聴ける便利な時代。でも私は、私の歌を聴きたいと言ってくれる人のところへ自分の足で行って歌い続けます」。
クラブ月世界
CLUB GESSEKAI
神戸市中央区中山手通1-24-10
TEL.078-221-2055 17:00~24:00
無休(ただし1/1~3は休業) ★通常ミュージックチャージ1,140円(税別)