2017年
10月号
10月号
メルセデス・ベンツで旅するドイツ in KOBE Vol.3
人々の寛容性が生んだ、神戸の発展と文化の礎
《旧トーマス邸(風見鶏の館)》
コロニアル建築が多数を占める北野異人館の中で独特な特徴を持つ「旧トーマス邸」は、重厚感のあるドイツ風建築でありながら、当時流行していたセセッション式やアールヌーボー調のデザインが印象的な異人館です。明治40年代の北野は外国人が多く屋敷を構え、洋館建築に適した土地がなくなりつつありました。そのため旧トーマス邸はため池の跡に建てられたのだとか。神戸がどれだけ栄えていたかを思わせる話です。ドイツ人貿易商ゴットフリート・トーマス氏は、同じくドイツ人の建築家G.デ.ラランデ氏に設計を任せました。氏のデザインは外観ばかりでなく、天井小梁や室内の暖炉、階段の親柱、扉の金具飾りにもドイツの趣を持たせます。トーマス氏は、神戸での家族写真の他に、完成当初の建築写真も多く残しており、それらは現在も建物の復元資料として役立っています。
参考文献 「異人館のある街並み 北野・山本」
旧トーマス邸(風見鶏の館)
土居 和孝 さん
旧トーマス邸(風見鶏の館)
神戸市中央区北野町3-13-3
TEL:078-242-3223
【開館時間】9:00~18:00
(入館は17:45まで)
【休館日】6、2月の第1火曜日(定休日が祝日の場合、翌日休)
【入館料】大人500円