11月号
耳よりKOBE 竹中大工道具館がリニューアル!大工道具の魅力をより深く!
1984年に、日本唯一の大工道具の博物館として神戸市中央区中山手に設立された「竹中大工道具館」が、10月、新神戸駅近くの中央区熊内町に移転し、リニューアルオープンを果たした。
新館は、六甲山の自然にとけこむように設計され、地上1階・地下2階スペースは和風建築の“粋”を結集している。京都の歴史的建造物にも使われている漆喰仕上げの内外壁のほか、竹中工務店が誇る匠の技を、建物のいたるところで紹介している。ロビーには最先端技術と鉄骨材を駆使し、柱を使わない工法で大空間を演出。天井は奈良の吉野杉を使った舟底天井となっており、伝統と革新の融合が、温かくゆったりとした空間を生む。まさに博物館そのものが「匠の技を肌で感じられる場」となっている。
展示室では、大工道具の世界をより深く知ってもらうため、写真や復元資料など約1000点の資料展示のほか、映像、音声、実物大模型などもより充実させた。建築物として歴史的に価値の高い茶室や鍛冶工房の再現は、ここだけでしか鑑賞できない。また、宮大工が講師となり、大人も子どもも楽しめる木工教室やワークショップも開催している。
素材を知り尽くした職人たちに培われた、日本の伝統のものづくり。そして、それを支えてきた道具の数々。木の香りもどこか懐かしい「竹中大工道具館」は、ものづくりの国・日本に生きる者として、何度でも訪れたい場所である。
■竹中大工道具館
神戸市中央区熊内町7-5-1
TEL.078-242-0216
【開館】9:30~16:30まで
【休館】月(祝日の場合は翌日)、年末年始
【料金】一般500円(団体400円)
大・高生300円(団体250円)
中学生以下および障がい者手帳をお持ちの方
および付添者1名 無料、65歳以上200円
【HP】http://dougukan.jp