2014年
11月号
神戸の一大イベントとして定着した

ホットな“豚饅”で神戸を元気に! 第4回 KOBE豚饅サミット開催

カテゴリ:中華, 観光

11月10日(月)前夜祭、11月11日(火)・15日(土)・16日(日)

─豚饅サミットは2011年にスタートしましたが、そのきっかけは何ですか。

安藤 ある金曜日の夜、大阪駅は終電の時間でも賑わっているのに、三ノ宮の駅に降り立ったら閑散とした雰囲気で…。震災前の週末のセンター街の賑わいを覚えている者としてとても淋しく感じたのです。しかも大阪は再開発で発展する一方、神戸はますます冷え込むと言われていましたし、自分がやっている商売を通じて神戸を盛り上げられないかなと。でも1社で頑張るよりは、老祥記さんや四興楼さんと連合が組めたら何か面白いことができるのではないかと思ったのです。
 業界としてやらないといけないとは漠然と感じていましたし、豚饅の発祥としても業界にあまり貢献できていなかったというのもありました。神戸を盛り上げたいという思いも強く思っていましたし、豚饅サミットを通じ一気にそれらのことができそうだと直感しました。安藤さんから声をかけていただいたので、自分から言うよりもやりやすかったですね。
 曹さんから電話をいただいて2010年の秋頃集まりまして、1回目の会合からずいぶん盛り上がり、楽しかったですね。
 3人集まれば楽しいことができそうだという雰囲気で、成功するのではないかというイメージが涌いてきました。

─最初に豚饅サミットがおこなわれた11月11日を豚饅の日としたのは、一並びで豚の鼻に似ているからだそうですが。

 何せ2011年11月11日と1が6つも並ぶ日は100年に一度しかない訳ですから、これはみんなが注目するだろうと。豚饅との絡みというのはなかなか出なかったのですけれど、苦しまぎれの中で、豚の鼻に似ているとひらめいたんですよ。

─それぞれオリジナル豚饅を作ろうというアイデアは。

 自分たちの普通の饅頭を出すだけでは提案力が弱いし、その時だけしか食べられないものでわくわく感を出したいと、最初からコンセプトとして決めていました。
安藤 1回目はカニとフカヒレ、2回目は豚の角煮と秋の味覚としてぎんなんと栗、3回目は明石だこを使いました。原価はいつもかかってしまいます(笑)。
 私のところは1回目、牛のアキレス腱を煮込んだものに滋賀の赤こんにゃくで色目と食感をプラスしました。赤いですからみなさんレバーと勘違いしていましたが、コレ何?というのも面白いですから。2回目は仙台へ炊きだしに行かせていただいたことから牛タンを使いました。3回目は福建省の職人が子どもの頃に食べた豚饅を紹介したいということで、職人が実家から取り寄せた青のりを使ったのですが、磯の香りがして好評でしたね。
 うちは1回目2回目と北野のフレンチ、「ルセット」のシェフとタッグを組みました。1回目はオマール海老。2回目はポルチーニ茸とトリュフを使いましたが、これはうまかったですねぇ。3回目は気仙沼に炊き出しに行った縁で、地元の水産業者から仕入れたフカヒレの姿を使用しました。

─そして、今年は?

 まかないではよくやるのですが、梅干しを豚バラに絡めようかと。いま試作中です。
 フレンチレストランのコム・シノワのシェフに具材を考えてもらっています。イタリア風になりそうです。
安藤 今年は松茸を使うことは決まっていますが、そこにもう1つ加えるか、松茸だけでいくかは思案中です。

─イベントの反響はいかがでしたか。

安藤 Yahoo!ニュースでトップに出たので、全国に行き渡りました。豚饅のイベントは全国的にも珍しく「あるようでない」とよく言われます。
 豚饅娘の企画などは、安藤さんの母校である甲南大学の西村ゼミの学生さんからのアイデアです。回を追うごとにパワーアップしていますよ。新しい参加者も大歓迎です。今年はパン屋さんのサ・マーシュさんも参加しますが、ミシュラン2つ星の日本料理店、玄斎とコラボするそうです。神戸の有名店や思いのあるお店はどんどん参加していただけるような土壌にしたいですね。みなさんがそれを求めて遠くからやって来る。そういうようなラインナップはサミットに欠かせない要素ですから。

─活動は神戸にとどまらず、東日本大震災の被災地へ炊き出しにも行かれていますが。

 2012年から、毎年1月17日におこなっています。毎回すごい人なんですが、気仙沼へ行ったときは驚きましたね。会場のスーパーの駐車場に人が入りきれず、交通渋滞までおきました。

─これから、豚饅サミットをどのように盛り上げていきたいですか。
 今年で4回目になります。あくまでも「神戸を元気に」ということを前提に、ぶれないようにこれからも頑張って、また、周りの人間を巻き込んでどんどん大きくしていきたいと思います。
安藤 手を挙げてここに入りたいという豚饅屋さんを募って認定店にしていくなど、イベントだけでなく日常的な豚饅普及のための活動機関になれればいいなと思います。
 神戸スイーツと同じように、神戸に来たみなさんが必ず豚饅を食べたりお土産したりするようになればいいですね。来年老祥記は創業100年、豚饅が日本で産声を上げてから100年という節目の年になりますので、これを契機にさらに豚饅をもっと食べていただける機会をつくっていきたい。中華街のある横浜や長崎とも連携して、11月11日は「豚饅を食べる日」というのを全国的に定着させていくのが次のステップです。

神戸の一大イベントとして定着した


四興楼代表取締役 葉 長青 さん


老祥記代表取締役 曹 英生 さん


三宮一貫樓常務取締役 安藤 孝志 さん


ポルケッタ、ポレッタ、ポルチーニを贅沢に使用したコラボ饅


「11月11日はブタの鼻に似ている」と豚饅の日に設定


右から葉さん、曹さん、安藤さん。南京町広場にて

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