5月号
今月の映画と展覧会
大きな愛に包まれる彼の音楽が
かつて、世界を変えた―
『ボブ・マーリー:ONE LOVE』
レゲエの神様と言われるミュージシャン、ボブ・マーリー。彼が最も伝えたかったであろうメッセージ「愛すること」をテーマにした伝記映画が公開される。1本の映画では語り尽くせない36年の人生の、伝説となった「ワン・ラヴ・ピース・コンサート」(1978年)に至るまでの2年間にスポットを当てている。
この間、ボブの祖国ジャマイカは、国が分断され混乱の最中にあった。闘争に巻き込まれ銃撃を受けた彼は、ロンドンへ逃れ、後に、“20世紀最高のアルバム”と称される『エクソダス』の製作に勤しむ。音楽に向き合う姿は、彼と時間を共にした人たちの話を基にしており、“伝説”の背景が描かれていて新鮮。
歌うことに信条をもち「僕が休んでる場合じゃない」とステージに立ったボブ・マーリーを、「今の時代にこそ感じてほしい」と息子ジギーは語る。
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
(『ドリームプラン』)
出演:キングズリー・ベン=アディル
(『あの夜、マイアミで』)
ラシャーナ・リンチ
(『キャプテン・マーベル』)
原題:Bob Marley: One Love
配給:東和ピクチャーズ
© 2024 PARAMOUNT PICTURES
2024年5月17日(金)全国ロードショー
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https://twitter.com/Paramount_Japan
光も闇も引き連れて
絵筆に灯る 想像と空想
junaida展
「IMAGINARIUM」
『Michi』『の』『怪物園』など、出版した絵本がいずれも話題の画家、junaida(ジュナイダ)の大規模巡回展『IMAGINARIUM』が、市立伊丹ミュージアムで始まった。絵本を知らなくても、小説の装画で知る人も多いかもしれない。明るさと闇が共存する独創的な作品の原画約400点が並ぶ。
絵本の原画にはストーリーがある。次の絵に続く時間が1枚1枚に流れていて、自然の音や動き、人の感情も存在している。その魔法のような画家のしごとを静かに感じられる空間は、この展覧会のもう一つの魅力と言える。
大切なのは「作品と鑑賞者の間に生まれる『なにか』」と、junaidaのメッセージがあった。描いたのも見るのも人。生まれる「なにか」もきっと人それぞれ。
junaida展
「IMAGINARIUM」
開催中 ~6月2日(日)
10:00-18:00(入館は17:30まで)
月曜休館(5/6は開館、5/7は休館)
市立伊丹ミュージアム
公式サイト
https://itami-im.jp/
text.田中奈都子