1月号
harmony(はーもにぃ) Vol.11 「世界一貧しい大統領」ホセ・ムヒカ氏
「世界一貧しい大統領」として知られているウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領(80)が来日し、大学などで学生に「人生の幸せとは何か」について語りかけたのはまだ記憶に新しいことです。ムヒカ大統領の名前が世界に広く知られるようになったのは2012年に行われた国連会議でのスピーチでした。
「貧しい人とは、少ししか持っていない人ではなく、もっともっとと、いくらあっても満足しない人のことです。私達は発展するためにこの地球にやってきたのではありません。幸せになるためにやってきたのです」。
このスピーチは多くの人の心を打ちました。
ムヒカ前大統領の資産は中古の車1台。月収は10万円。100万円の収入の9割を福祉に寄付していました。彼は7歳の時に父を亡くし、極貧生活を送ります。貧しい人を救いたい、という思いで1962年にゲリラ戦に加わり、富を独占する企業を標的に戦い、捕らえられて9年間独房に投獄されます。しかし、彼は「暴力では社会を変えられない」と考え政治に取り組むようになります。
来日したムヒカさんは「問題はお金の好きな人が政治家になろうとすること。これは非常に危険です。汚職の原因なのです」と語ります。ある新聞のコラムにムヒカ前大統領の来日に触れ、日本の政治家の頭の中を「今だけ、金だけ、自分だけ」と皮肉って書かれていました。
「豊かになると、失う事への恐怖が生まれます。富を失う事への恐れが生まれるとお金があっても幸せを感じられません。失うことを恐れるからです」というムヒカ氏からのメッセージを年の初めに贈ります。
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