4月号
音楽のあるまち♬7 映画と音楽には深い関わりがある
映画評論家・フリーアナウンサー 津田なおみ さん
試写会の司会やトークショーなどで活躍する津田なおみさんに、映画の魅力と、それに深く関わる音楽のことなどお聞きしました。
―津田さんと映画との関わりは?
20代のころ、毎日放送で映画番組の司会をすることになり、1週間に5~6本は見るうちにその魅力にハマってしまいました。配給会社さんともお付き合いができ、映画イベントの司会などお仕事も頂くようになりました。
―神戸との関わりは?
宝塚に住んでいた子どものころ、お出かけはいつも神戸。ポートタワーの回る展望台でプリンを食べるのがとても楽しみで(笑)。大人になって、サンテレビやラジオ関西で番組を頂き、神戸新聞でも連載をさせていただくようになりました。そこから派生する仕事も多くなり、神戸100年映画祭のことも知って「ぜひ何かお手伝いさせてください」と実行委員に入れていただきました。ひと月の半分は神戸にいるかな…住んでおられたら気付かないかもしれませんが、神戸は降り立ったとたんに海の香りがします。元町駅から下って行く辺りなどは外国にいるみたいで、雰囲気が大好きです。
―映画と深く関わるのが音楽ですね。
映画は最初サイレントでしたが、オルガン演奏で言葉や感情を表現していました。効果音を出していたんですよ。トーキー映画になってからジャズに変わり、その後初めてオーケストラをバックに流したのが、1933年の作品「キングコング」です。当時のメイキング技術ですから映像だけ見るキングコングなんて全然怖くない(笑)。オーケストラが見る人の恐怖感を煽っていました。ラブロマンスなら「慕情」「タイタニック」も音楽を聴くだけで感動が蘇ってきます。「ニューシネマパラダイス」のように、先に音楽ができて後から映像が付いた映画もあります。
―音楽を聴いただけで映画が浮かんでくる最近の作品は?
「ハリー・ポッター」「パイレーツ・オブ・カリビアン」かな。でも最近は、音楽と一体化している映画が少なくなりましたね。今月公開のインド映画「ダンガル」は娘2人をレスリング選手に鍛えあげるというスポコンストーリー。バックに流れる歌が登場人物それぞれの感情を表しているという面白い作品です。
―神戸のまちが登場する映画はありますか。
たくさんありますよ。例えば、ジャッキー・チェンの「新宿インシデント」はメリケンパークで撮影しています。知っている人なら誰でも分かります。地下鉄が出てくる映画の多くが神戸で撮影されているんですよ。本広克行監督が「神戸は海と山があって、どちらの景色も撮れる。そして信頼できる人が神戸にはいる」と話しておられました。神戸でロケしている映画はとても多いのに、表に出ない。とっても悔しいですね。音楽も同じように、神戸では「078」や「カミングコウベ」のようなとてもいいイベントをやっているのに、お隣の大阪ですら情報を目にすることがほとんどありません。これもとても残念です。もっとPRしていいと思います。
―最後にズバリ!映画の魅力とは?
映画には相手の幸せを願い、誰かのために命をかけて行動するヒーローやヒロインがたくさん登場します。ラブストーリーはもちろん、スーパーマンもバットマンも相手を幸せにするために「自分に何ができるか」を考えています。そこに、映画が感動を呼ぶ理由があると思います。