6月号
いま長崎が面白い! 神戸空港から出かける佐世保 日本遺産「鎮守府」をめぐる旅
海軍草創期から佐世保に置かれた鎮守府に関する日本遺産や軍事遺構をめぐる旅は、列強に渡り合うべく近代化を推し進めた先人の努力に敬服するとともに、平和への想いも新たにします。
海軍さんの散歩道
佐世保はかつて小さな漁村でしたが、明治に入ると政府の近代化政策のもと、外洋からの入口が1か所で、三方を山に囲まれた天然の良港であることから海軍に注目されて鎮守府が開設され、軍港として発展するとともに街も繁栄していきました。ゆえに港や街には海軍や近代工業関連の歴史的遺産が点在し、それらをめぐるツアー「海軍さんの散歩道」が定期的におこなわれています。ツアーでは海上自衛隊OBのガイドのもと、関係者しか立ち入れない海上自衛隊の敷地内にあるスポットを見学することができます。中でも戦時中に完成し、防空指揮を担った地下壕「旧佐世保鎮守府防空指揮所跡」は必見です。
針尾送信所(旧佐世保無線電信所)施設
大正時代中頃に建設された3つの鉄筋コンクリートタワーは136mの高さを誇り、当時の技術水準の高さに驚かされます。間近から見上げても、遠くから眺めても、その威容は100年近く前のものとは思えません。かつてはここから長波無線を発信するため、一辺約300mの正三角形状に並ぶ3つの塔を電線が結んでいたそうです。現在はその役割を終えて国の重要文化財となり、地元有志の方々に大切に守られ、保存・公開されています。
片島魚雷発射試験場跡
佐世保市の南隣、静かな大村湾に面した川棚町の片島公園には戦前、海軍の重要な軍事施設がありました。中でも魚雷発射試験場では佐世保や川棚の海軍工廠などで製造された魚雷のテストがおこなわれていました。海上に設けられた射場のほか魚雷の発射準備をおこなった空気圧縮ポンプ所、状況を確認するための観測所の遺構が、静かに時をとどめています。
information
佐世保は神戸から意外に近い!
神戸空港から長崎空港へはスカイマークが1日3往復運航
所要時間1時間5分~1時間20分
長崎空港から佐世保市街まではバスで約1時間30分、乗り合いタクシー約55分
長崎空港から川棚町まではバスで約40分
お問い合わせ 長崎県大阪事務所 06-6341-0012