2012年
12月号

ビーフン一筋でオンリーワン

カテゴリ:グルメ, 経済人

ケンミン食品株式会社
代表取締役社長 高村 一成さん

ほんもの志向の〝米粉(ビーフン)〟づくり

私の父・高村健民が昭和25年に創業して60年以上、ケンミンはビーフン一筋に歩んできました。現在、全国シェア約7割を占めています。日本市場でその他出回っているビーフンは主に台湾、タイの製品を輸入したもの。ケンミンビーフンもタイで製造していますので輸入品ではありますが、当社直営の工場で徹底した管理の下、完成の段階まで製造しています。国内では一切製造していません。何故かと言うと、日本米は粘りがあり、炊いてご飯として食べるには美味しいのですが、逆にビーフンづくりには粘りが邪魔になり、ビーフン同士がくっ付いてしまいます。
戦後間もない創業当時は、タイやビルマなどからの輸入米を使っていました。ところが昭和40年代半ば頃、米の輸入ができなくなりました。備蓄米が底を尽き、日本米に馬鈴薯でんぷんやコーンスターチなどを混ぜて製造していました。しかし、「これは〝ビーフンもどき〟であり、ビーフンではない」と忸怩たる思いを持ち続け、ビーフンづくりに適した米がある国に工場を造りたいと願っていました。そして昭和62年、念願かないタイ工場を設立しました。

美味しさの秘密は…

ケンミンビーフンは米100%、添加物を一切使わずに製造しています。買い付けた米を水に浸し、すりつぶし、水分を搾ってから蒸し、押し出して麺状にした後、更に蒸します。でんぷんですから表面にぬめりがあります。そこで、手作業で1本、1本…さばいていきます。ここまで面倒な作業を重ねて、やっと美味しいビーフンが出来上がります。添加物を使えば作業は簡略化できるのですが、決してそれはしないというこだわりが美味しさの秘密です。更に、ケンミンビーフンは喉ごし、麺のコシ、食感などは日本人に好まれるよう工夫しています。これは、長年の経験で成し得たものだと自負しています。

安心・安全の秘密は…

  タイの気候では米は通常2期作が可能です。しかし、ケンミンビーフンの原料に使うのは1期作で品質の高い米のみです。日本から従業員が現地工場に駐在し直接管理し、衛生面でも日本の基準で合格できる体制を取っています。現地の常識で製造するのに比べば当然コストはかかりますから、商品の価格が高くなります。しかし、安全・安心のためには致し方ないと考えていますし、日本を始め、それをご理解いただける市場でのみ販売しています。
最近はアレルギーをお持ちの方が多いですね。ケンミンビーフンは米粉だけを使っています。その上、タイの工場では米粉ではなく米を仕入れて加工していますので、決して小麦粉が混じることもありません。小麦アレルギーの方にも安心して食べていただけます。

ビーフンと点心の専門店「神戸南京町チャイニーズバールyunyun」


本格中華とオリジナルビーフン料理を楽しめる「健民ダイニング」

ケンミン・ブランドの力を守り、生かす

 ビーフンで培ったブランド力を使って新たな分野も開発しています。最も大きなシェアを持つのが、ペットボトルや缶入りのウーロン茶の原料です。中国福建省に専門工場を設立して、現地で作ったお茶を日本の大手飲料メーカーさんに納めさせてただいています。ここでも徹底した管理を行い、茶葉栽培時から農薬使用の指導をして、更に残留農薬の検査を通過したものだけを輸入しています。
また、米で作るライスパスタは小麦アレルギーの方やモチモチ食感を好まれる方に向けて販売していますが、最終的にはアメリカ市場を視野に入れています。以前からビーフンと一緒に春雨もスーパーに納めさせていただいていますが、安心して販売できる春雨を仕入れたいと、中国の春雨工場に出資して駐在員を置き、安心・安全のための管理をしながら製造しています。

直営店で食べて下さい!

南京街の「チャイニーズバールyunyun」は中華料理のファストフードショップ「ユンユン」として昭和60年、私が入社してすぐのころにオープンしました。当時はまだ中華料理のファストフード店が珍しく、すごい反響を呼び連日長蛇の列でした。ところが若気の至りというのでしょうか(笑)、調子にのって拡大して見事に失敗しました。現在は神戸南京街のみで地道に営業しています。「健民ダイニング」は、本社ビルが完成した平成7年、1階に直営中華料理レストラン「エイジアンカフェ」としてオープンしました。美味しいビーフンを食べたことがないという方に、ケンミンが自信を持ってお勧めできる料理を召し上がっていただこうと作ったアンテナショップです。中国から来てもらったコックさんが、非常に真面目で腕の良い職人で、オープン以来ずっと頑張ってくれています。お陰さまで、美味しいと口コミで広がり好評いただいています。

ビーフンは一度食べたら美味しさが分かる

 調査によると、「ビーフンは知っているけれど食べたことがない」という人が日本中で半数はいるようです。一度、食べていただいたら「美味しいなあ」と言っていただけるはず。「こんなもの二度と食べたくない」と言う人は恐らくいないでしょうね(笑)。ということは、まだまだ伸びしろがあるということ。まずは、召し上がっていただける機会を提案していきたいと思っています。それに加え、消費量が増えてきている春雨に力を入れ、冷凍食品ともども更に拡大していきたいと考えています。

即席焼ビーフン


焼きビーフン200g(冷凍)


ビーフン150g


緑豆はるさめ使い切りパック


高村 一成(たかむら いっせい)
代表取締役社長

1955年生まれ。神戸市出身。1978年関西学院大学社会学部卒。1978同年東食入社。1983年ケンミン食品入社。1997年社長就任。