2012年
12月号

里親ケースワーカーの 〝ちょっといい お話〟

カテゴリ:教育・スポーツ

「ぼくを家に帰らせてくれてありがとう」

年越しそば、おせち料理、お年玉…。年末年始は、一年の中でもちがった生活様式が家族のあいだで行われる時期です。親と暮らせず、施設で暮らす子どもたちは、こんな家族の行事を、一般家庭に迎えられたときに初めて体験するのです。
児童福祉法にもとづく「里親」は、親と一緒に暮らせない子どもを家に迎えて育てるものですが、それよりももっと気軽に子どもと交流する方法に、土曜・日曜だけ子どもを家に迎える「週末里親」、夏休みやお正月だけ迎える「季節里親」などの「ボランティア里親」があります。
施設の子どもたちはごく普通の家庭というものを知らないことが多いです。里親家庭で、包丁を使ったお料理がどうやってできるかを初めて見たり、次の日に前の日の残り物を食べることもあるんだといって驚いた子もいました。また、家庭では、洗濯物をたたんだり、食事を作ったり、掃除したり、誰かのために何かをするという家族の協力というものがあります。施設では自分のことは自分でやり、他人のことまで面倒を見ることは少ないのです。ごく普通の家庭での生活感覚は、彼らが大人になって自分の家庭を持ったときに、大変重要になってきます。
そして、自分だけに会いに来てくれる大人の存在がある、ということはとても大切です。ある小学生の男の子は、季節里親の家に初めて行ったとき、玄関で「ただいま」と言ったそうです。子どもたちは、そんな普通の家庭でのできごとに、憧れを持っています。その男の子から、後で里親のもとへ手紙が来て、「ぼくを家に帰らせてくれてありがとう」と書いてあったといいます。「家に帰る」ということは、彼にとっての夢であったのです。
ボランティア里親さんにお願いするのは「家族全員が、子どもを迎えることに理解があること。」「施設まで送り迎えをしていただくこと。」「できる限り、同じ子どもを継続して受け入れてもらうこと。」ということぐらいです。数時間だけ交流する「フレンドホーム」という方法もあります。ボランティア里親に関してはお気軽に協会までお問い合せください。

お話/米沢普子さん

〈家庭養護促進協会
神戸事務所 ケースワーカー〉

社団法人 家庭養護促進協会

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