7月号
学生時代の思い出 ー甲南女子大学創立50周年に寄せて
OGであることの誇り
大久保 かれん
FM COCOLO DJ
1991年・文学部フランス文学科卒
「フランス文学科」なんて素敵でかっこいいネーミング!そんな軽薄な動機で受験した私でしたが、憧れの甲南女子大学、しかも仏文科!合格は夢のようでした。夢のキャンパスライフはまさにキラキラと眩く、すべてが輝いて見えました。
時は80年代から90年代に変わる頃…バブルの名残を受けて、世間も華やかだった時代。花の女子大生は大学に行くのが楽しくて仕方がなく、よく学び(?!)よく遊ばせてもらった4年間。とにかく高校時代よりも世界がぐっと広がった。たくさんの出会いも楽しかった。授業の合間のランチでは、友達が友達を呼んで、大人数になることも多かった。岡本駅界隈の「さんたまりあ」「民芸 馬小屋」「ラポスト」。時には足を伸ばして御影の「ピレーネ」や苦楽園「イタリアントマト」まで…。みんなで色んな情報を分かち合い、さらに世界を広めた。そして帰り道は音楽好きの友達と必ず立ち寄ったレンタルレコード店「On Air」。授業でも、社会でも、色んな知識を吸収し、体験をしたことが、のちのちの仕事「ラジオのDJ」に大いに役立った。
3回生の夏休みには2ヶ月間、アメリカに短期留学。1ヶ月はサンディエゴ、もう1ヶ月はニューヨークでしたが、学校やホームステイ先と合わず、ヨーロッパツアーに一人で参加。ツアーに参加していたご年配夫婦に孫のように可愛がってもらい、ここでも素晴らしい体験がいっぱいできた。どちらかと言えば課外活動の方が活発でしたが(笑)自由な雰囲気の中で、学校生活だけでなく社会経験も沢山出来た4年間があってこそ、今の私が成り立っていると思います。そして今の私の宝物の一つが、ここで出会ったお友達。ご縁を繋いでくれた大学に感謝しています。
今はもうない「フランス文学科」ですが、時代の移り変わりと共に、さらに意義深い学科が登場したのは素晴らしいこと。一方で永遠に変わらないのは、甲南女子大学の伝統あるエレガントな校風。いつまでも、ここのOGであることは私の誇りです。
今という時間を大切に
辰巳 舞(たつみ まい)
滋賀医科大学医学部付属病院勤務
2013年・看護リハビリテーション学部卒
「患者さんが目の前にいる限り、今自分に出来る精一杯のケアをする」「生きている今という時間、患者さんと関わることのできる時間を大切にする」これは、私が看護師として働く上でのモットーです。学生時代、看護学実習で担当していた患者さんが亡くなられた経験があり、その当時は人が亡くなったという悲しさと、自分が看護学生として何もできなかったのではないかという無力さに押しつぶされそうになりました。そんな時、周りの仲間や先生方に何度も話を聞いて頂き、自分と向き合う時間を設けて下さったおかげで、患者さんへの自身の関わりについて見つめ直すことができたのです。この経験が、今こうして私が看護師として働く原動力になっています。甲南女子大学で過ごした4年間でのたくさんの出会いと学びは、私にとってかけがえのないものです。これからさらに看護師として社会で活躍できるよう、努力していきたいと思います。
想いに寄り添う
馬淵 宙美(まぶち ひろみ)
大阪府立母子保健医療センター勤務
2013年・看護リハビリテーション学部卒
甲南女子大学では、1年目より実習があり実践的な授業を受けることができ、また、本格的な演習も行われます。学年が上がるにつれ徐々に専門的な領域に分かれ、より密度の濃い授業を受けることができました。助産の実習では一例一例を丁寧に振り返る中で、母子2人の命を預かることの責任感や、迅速な対応と判断力が同時に求められました。自己で考え、実践する力を鍛えられたと思います。大学の授業や実習を通して吸収してきた様々な貴重な体験は、今の私の土台になっています。4年目に看護師、助産師、保健師の国家試験の勉強と助産実習が同時となり、大変で辛い時期もありましたが、熱心にサポートして下さった先生方のおかげで夢を叶えることができました。
母子センターでは、MFICUを有するハイリスク病棟で勤務しています。様々な背景をもつ患者様へのケアと複雑な気持ちを抱えている想いに寄り添い、無事誕生を迎えられるよう、日々考えながら看護しています。