2015年
3月号
3月号
心たきしめる淡路の香
全国シェア7割と圧倒的な生産量のみならず、品質でも高い評価を受ける淡路の香。淡路市の江井地区を中心とした地場産業として歴史を積み重ねている。
江井の街で線香の生産が始まったのが今からちょうど160年前、嘉水3年のこと。江井は天然の良港として賑わった一方、冬になると強い西風が吹き、人々は生活苦を抱えていた。そこで白羽の矢が立ったのが線香づくり。江井の廻船業者は九州から堺へ線香の原料を運び、逆に堺から製品を運んでいたので原料調達はたやすいものだった。しかも西風が線香生産に適した気候であり、女性の手内職にも適していた。そうしてこの地に線香づくりが根付き、江井を中心に淡路島で線香生産が盛んになっていった。
技術は今なお進化し続け、新しい香りや消臭効果などの高付加価値も登場。さらに地域ブランド化をはかり、その実力は世界も認めるところに。淡路に来た際は自分の好みの香りと出会い楽しむことを忘れずに。