2015年
3月号
木や食材が調和した家はまさにオーガニックハウスといえる

フランク・ロイド・ライト その思想と建築を今に Vol.8

カテゴリ:建築

自然とともに

 有機的単純性は、見ようと思いさえすれば、そこかしこに現れてくる。それは、峻厳でありながらも調和した秩序のなかで、意味のある個性をつくり出す。この秩序こそ、自然という名で呼び習わしているものなのだ。私は農場でそのことをあますところなく知った。私は、身のまわりのすべてに、成長するものの美を発見する。いや私だけでなく、この問題に注意を向ける人であれば誰だって同じだろう。さらに少々眼をこらせば、それがいかに「美」へと成長していくのか理解することができる。無意味なものなどひとつもない。私は本能から大平原を愛していた。それが、偉大なる単純性を示していたからである。 ―――フランク・ロイド・ライト

 大地に一粒の種が落ちる。そこに風が吹いて土が覆いかかり、雨が降って湿り気が与えられる。種は眠りから覚め、芽吹いて、根を下ろす。陽光を浴び、気温に育まれ、やがて葉を広げて育ち、花を咲かせる。
 自然には摂理がある。少年時代にウィスコンシンの農場でその姿を見つめ、愛してきたライトは、自然の中で自ずと育っていく花や鳥に、日々表情を変える空に、美を見出していたのだろう。
 ゆえに、彼は建築にも摂理を追い求めた。住む人と建物、装飾や調度品、そして周りの環境が調和した秩序の中にあれば、家自体が自然であるとともに、住む人も自然で居られる。そのために建築を環境として捉え、自然の事物に潜む形式を家づくりにオーバーラップさせた彼の発想は、それまでの建築の枠を超越し、ひとつのスタンダードとして今も朽ちることなく輝きを放っている。
 ライトの思想を継承したオーガニックハウスは、まるでひとつの生命体のように、調和した秩序に包まれている。空間のつながり。何気ない装飾。素材の質感。そして何より居心地の良さがその証左だ。
 そして、住まいは成長する。時とともに住む人との共鳴を深め、使い込むことに味わいが生まれる。それは個性となり、美となって、より我が家を愛おしく感じるだろう。
 でもやがて、花が枯れ種を落とすように、建物もまたその使命を全うすべき時期が来る。しかし、木やレンガ、漆喰などの自然素材をふんだんに使用したこの家は、大地に還り新たな生命の源となるだろう。
 自然の家。自然な家。この家の摂理は、生活のみならず、人間としてのあり方をも変える力がある。

木や食材が調和した家はまさにオーガニックハウスといえる



漆喰やレンガをふんだんに使用。「自然の家」は、いつかは大地へと還る



〈2015年3月号〉
特集 ー扉 “春色”あわじ島の旅
美菜恋来屋(みなこいこいや) オープン
映画「種まく旅人 くにうみの郷」
「御食国」淡路の島グルメ
桜鯛の棲み家は淡路島
美味凝縮!淡路のたこ
沼島の“はも”は神の賜物
淡路島3年とらふぐ 南あわじが生んだ奇跡の味
珠玉なる淡路たまねぎ
島の宝珠 なるとオレンジ
心たきしめる淡路の香
淡路の伝統芸能を未来へつなぐ 淡路人形芝居
五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡 弥生時代後期の建物跡や出土品が多数発見
伊弉諾神宮 夜間特別ライトアップ!
「神様の結うとおり」35柱モニュメント完成 伊弉諾神宮~濱神社を結ぶ
淡路カントリーガーデン 家族の思い出を育むレジャーランド施設!
兵庫ディオーネ 女子プロ野球チームがホームを淡路島に!
淡路島観光マップ
あわじ三市ガイド
ウェスティンホテル淡路 開業15周年を迎え、館内リニューアル!
春酔 灘の酒 —酒特集扉
灘の酒蔵めぐり
灘五郷の酒蔵がそれぞれ個性を生かし、 協力し合う
日本酒を醸造することは、日本文化を醸造することです
Brew Pub STARBOARD
すっぽんと和食のお店 料庵 有とみ
兵庫医科大学 健康医学クリニックで安心を
女性の輝くパワーが集う女性会
神戸 桜の名所とお花見弁当
フェリーさんふらわあで行く「ふぐと石仏のまち」臼杵への旅
観る人の心の模様がキャンバスにストーリーを紡ぐ 青栁紀幸の世界
兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第四十七回
フランク・ロイド・ライト その思想と建築を今に Vol.8
Report KOBE 早駒運輸・神戸シーバスが「阪神・淡路大震災から20年 チ…
神戸のカクシボタン 第十五回
It’s NEW! ブラジル音楽とジャズのフュージョン RACHA FOR A(…
神戸鉄人伝(こうべくろがねびとでん) 第63回
第十三回 兵庫ゆかりの伝説浮世絵
触媒のうた 49