09.16
WEB版エンタメ情報|『クミコ コンサート2026 わが麗しき歌物語Vol.9』 ~神戸朝日ホール 2026.10.10.sat~
この秋もクミコさんが神戸朝日ホールで歌います。
今年は『シャンソンティックな歌たち Vol.2 ~時代を紡ぎ、物語を歌う~』をリリース。歌の物語が聴く人の心に歩み寄る、コンセプト・アルバムの第2弾です。
神戸公演では兵庫県出身のシャンソン歌手 陽菜さんがゲスト出演します。「次世代シャンソン歌手発掘コンテスト」で優勝した実力派。お2人そろってお話いただきました。
歌手
クミコさん
陽菜さん
―『シャンソンティックな歌たち 』2枚目がリリースされました。 “シャンソンティック” という言葉が馴染んできましたね。
クミコ 「シャンソン」に限定すると、シャンソンが好きな人しか聴いてくれないかなと思ったり、私自身が、好きな歌を歌いたいなっていう気持ちもあったり。世の中にはいい歌がたくさんありますから、せっかく生まれたシャンソンティックという言葉に、もう少し乗っかってもいいかなと思っています。
―どの歌も、どこかで本当に生きている人の物語を聞いているようです。
クミコ いろいろな人生があると思わせてくれる歌ばかりですね。
『ヨイトマケの唄』は、これから先、誰かに歌い継いでほしいなと思っていたら自分も歌うことになりました。『時は流れて』は、いい歌だから知ってほしいと思っていたし、『イムジン河』は歌が生まれた時代背景も含めて次の時代につなぎたいと思っていました。
『再会』は、金子由香利さんがそれはもう素敵に歌っていらして、私は絶対に歌わないと思っていたけれど…。歌うことを薦めてくれる方々がいて、じゃあ歌ってみようかと。この歌は、人それぞれ感じることが違うんですね。感想を聞くのがおもしろい。
どの歌も自分の気持ちだけではなくて、何かめぐり合わせがあって機会をいただきました。
―今年は 陽菜さんがゲスト出演。次世代を託された若きシャンソン歌手です。
クミコ 陽菜さんは若いけれど、「自分はどう歌うか」と考えることのできる努力家で、陽菜さんを見ていると、歌うことに年齢は関係ないな、素敵だなと思います。
高校ではミュージカルを勉強していらしたのよね。
陽菜 そうです。『マンマ・ミーア!』の挿入歌『勝者がすべてを』を聴いた時に、この歌を歌いたい!と思ったのがきっかけでした。ミュージカルの歌は物語の表現なので、シャンソンと出会うための伏線だった気もします。
―陽菜さんがシャンソンを歌うきっかけは?
陽菜 歌の先生がクミコさんのファンで、コンサートに行って衝撃を受けてそのまま。シャンソンしか見えなくなってしまって、私も歌の中で演じたいと思うようになりました。
クミコさんの歌からは、自分の軸で生きていらっしゃるクミコさんの人生そのものを感じました。自分もそうありたいと思っています。
クミコ ね、自分の気持ちをきちんと言語化できる。しっかりしてるでしょ(笑)
お世辞でも、そういう気持ちでシャンソンを歌おうって思ってくれたのなら、ちょっとは次世代に繋ぐことができたかなと安心します。私も金子由香利さんへの憧れがあって今こうしているので。
陽菜 多くの先輩方が歌われた歌であっても、クミコさんが歌うとどなたとも違うクミコさんの歌になるんです。自分の喜び、悲しみを表現をしてもいいんだと教えられました。
クミコ 年齢のせいか「アドバイスをお願いします」なんて言われることもあるけれど、私が伝えることができるのは、そういうところしかないんです。
誰かの歌を誰かのように歌うのではなくて、どこに自分を入れるのか。それができない歌は歌わなくていいと思う。いくらいい洋服でも、着こなせない服は着なくていいのと一緒で…。
歌うからにはその人の歌にしないといけない。特にシャンソンはカバーだから、歌う人が見えてこないと、歌う意味はないと思うんです。
陽菜 誰かのように歌うのはむしろ簡単で、自分の色を出すというのがどれだけ難しいことかを痛感しています…。
クミコ よーくわかります。私、銀巴里に入ったとき、歌う歌がなかったもの。先輩たちの歌には敵わない。勝てない戦を始めちゃったなって。
でも陽菜さんは、ちゃんと陽菜さんらしい華やかでポップな歌を歌ってますよ。
陽菜 ありがとうございます。『ズビズビズー』ですね。
この曲は、今だから歌いたい!と思いました。
クミコ 可愛らしい響きよね。ズビズビズって。口を窄めないと発音ができない魅惑の言葉。女の人が言うと色っぽいの。フランス語で話すと、女性の魅力は30%あがるらしいですよ。恋の国って言われるのは言語のせいもあるかも。
―大人の恋もかわいらしく聞こえますね。モラルも気にせず堂々と。
クミコ 大人が恋をしたっていいんです。恋の国ですから(笑)。
銀巴里の先輩方も素敵で魅力的な大人がたくさんいました。上下関係もそんなになくて自由だったし、世の中も今より自由だった。自由が人を大人にしたのかもしれないな。今だってカタにハマりすぎず自由に生きていいと思うんです、本当は。
先生の言うとおりにしていたら上手くなるわけではないと思うし、先生の言うことを全部正しいと思わなくてもいいと思う。それより自分の解釈をもっている方がいいと思うんです。
歌は自由。自由になりたいから歌ってる。と私は思ってる。
陽菜 1番新鮮に響いたクミコさんの言葉は「なんでもいいんだよ!」(笑)。
え、なんでもいいの?ってびっくり。「なんでもいい」と教えられたことがないですから(笑)。
クミコ あ~言いましたね(笑)。
若い人って正解を求めるでしょう。「これはダメですか?」って聞き方をする。そうすると、あれもダメ、これもダメ、出口がなくなる、袋小路。
陽菜 それです。正解がほしい。早くほしくて、早くなんとかしたくて、焦って。だから「なんでもいい」にホッとしました。でも「なんでもいい」もまた難しい…。
クミコ もともと正解はないの。これはすべての事に言える。正解はない。
あれもだめ、これもだめではなく、あれもこれもやってみよう!がいいですね。そうしているうちに、いつか、これかも!っていう何かに出会えたら、それが自分の軸になる。でもそれは正解って名前ではない。
昔の大人は、そんなことを話してくれました。
効率のいい生き方がないのと同じで、歌も効率よくいい歌を歌うことなんかできない。表現する全てのものに正解はない。
だから、なんでもいいんだよ(笑)。
陽菜 …深いですね。
クミコ もっと自由でいいのにって思うだけ。
歌って、嘘の物語でしょ。嘘の物語の中で、恋をしたり、嫉妬したり、別れがあったり…。でも、物語は嘘だけど、本当に気持ちが盛り上がったり、悲しくなったり、時には涙を流したりする。その感情の部分は本物なんです。私が伝えたいのは感情。聴いた人が少しでも何か感じるものがあったなら、それでいいと思います。
もっと自由に歌ったら、歌もおもしろくなるし、大きなことを言うと、人の心ももっと自由でいられたら、もっとおもしろい世の中になると、最近よく思っています。
text.田中奈都子


公演情報
『コンサート2026 わが麗しき歌物語Vol.9』
【 神戸公演 】
日時:2026年10月10日(土)15時30分
会場:神戸朝日ホール
詳しくはこちら
https://kyodo-osaka.co.jp/search/detail/12744












