2016年
3月号
3月号
舟木遺跡
邪馬台国出現前夜の弥生時代を知る手がかり
淡路市の丘陵部に点在する約200カ所の弥生時代後期の遺跡群の一つ。標高約150メートルに位置し、遺跡の範囲は約40ヘクタールに及ぶ。
平成初期に0.4ヘクタールの発掘調査が行われた際、1世紀~2世紀頃の弥生時代後期の竪穴住居跡や、多数の土器などが出土した。集落群の中心的な役割を占めた可能性が指摘されており、邪馬台国出現直前の弥生社会を解明する上で重要な鍵とされている。
近年、淡路島では、五斗長垣内遺跡の弥生鉄器や松帆銅鐸のように、淡路の神話を裏付けるような重要な発見が相次いることから、淡路市教育委員会は「淡路市国生み研究プロジェクト」と題して、2015年より2年計画で舟木遺跡の発掘調査を行っている。土器などの分布調査を経て、2016年度からは五斗長垣内遺跡などとの出土遺物や遺構の比較検討をはじめ、本格的な発掘調査が行われる予定。この取り組みによって、弥生社会における淡路島の歴史的役割や国生み神話との関係が、深く掘り下げられることになるだろう。
■舟木遺跡
兵庫県淡路市仁井舟木