2015年
3月号
5月30日より全国ロードショー『種まく旅人 くにうみの郷』 ⓒ2015「種まく旅人 くにうみの郷」製作委員会

映画「種まく旅人 くにうみの郷」

カテゴリ:文化・芸術・音楽, 観光

淡路島でオールロケ! 淡路島の魅力を全国に発信!
映画「種まく旅人 くにうみの郷」5月30日劇場公開
農業と漁業をテーマにしたヒューマンドラマ

http://www.tanemaku.jp

5月30日より全国ロードショー『種まく旅人 くにうみの郷』 ⓒ2015「種まく旅人 くにうみの郷」製作委員会


ⓒ2015「種まく旅人 くにうみの郷」製作委員会


ⓒ2015「種まく旅人 くにうみの郷」製作委員会


 淡路島が舞台の物語で、淡路島でオールロケも行なわれた映画『種まく旅人 くにうみの郷』が、いよいよ5月30日(土)に劇場公開される。
 キャストは主人公・栗山千明のほか、桐谷健太、三浦貴大ら。前作『種まく旅人~みのりの茶~』の監督で2012年に急逝した塩屋俊監督から「種まく旅人」シリーズの志を引き継いだ、『真夏のオリオン』『小川の辺』の篠原哲雄監督によって、骨太かつ心あたたまるヒューマンドラマが完成した。
 物語のテーマは、農業・漁業といった第一次産業。人間にとって最も大切な「食」を支える農業や漁業が、現在では高齢化、衰退産業として危機に瀕している。物語ではその事実を見すえながら、農業従事者の兄と漁業者の弟と、主人公との出会いを通して、兄弟の和解と日本の第一次産業の未来を描く。農業と漁業、2つを結びつけたのは淡路島の伝統行事「かいぼり」。自然豊かな淡路島を舞台に描かれた物語は、島内のストーリーとしてだけではなく、日本全国の農業、漁業、そして自然環境や生産現場などの幅広いジャンルにも共通するテーマを描いている。

〈ストーリー〉
 物語の舞台は、国生みの郷、淡路島。
 「頭でっかちなお前は、もっと日本の第一次産業の現状を知らなければダメだ」−
 アメリカ帰りの農林水産省官僚・神野恵子は地域調査官として淡路島にやってきた。
 目的は日本の現状を知る事。淡路島市役所に席をおきながら視察に赴く恵子は胡散臭さととまどいをもって受け入れられていた。
 そんな中、玉ねぎ作りにいそしむ農業従事者、豊島岳志、そしてその弟、海苔と共に生きる漁業者、豊島渉に出会う。彼らは父の死をきっかけに何年も仲違いの態を続けていた。
 二人との出会いをきっかけに恵子は少しずつ自らのミッションを切り開いていくが・・。

仮屋漁港(森地区)の荷さばき場もロケ地に


のり育苗場での撮影風景


森漁業協同組合が全面協力


淡路信用金庫での撮影風景


淡路人形座でエキストラを入れて撮影


主人公が買い物をするイオン洲本店


玉ねぎ農家として登場する民家での撮影風景


ⓒ2015「種まく旅人 くにうみの郷」製作委員会


海を望む畑のある民家としてロケ地に選ばれた場所


淡路島フィルムオフィス事務局 津守会美さん


ロケ地・淡路島の魅力
 撮影は、仮屋漁港(森地区)、久野々地区のたまねぎ畑、淡路県民局、洲本市役所、淡路人形座、いざなぎ神宮など島内各地で行なわれた。
 淡路ロケに大きく尽力したのは、淡路島でのロケ誘致活動を行っている、淡路島フィルムオフィス。2009年に設立以来、数多くの映画やドラマ、CMなどの撮影を誘致してきた。今回のような淡路島が舞台の物語だけではなく、海岸、砂浜、島に残る伝統的な家並みや、花畑、田園風景など、淡路島ならではのロケーションが数々の作品に登場している。
 満島ひかり・小林薫・綾野剛の実力派俳優が揃い熊切和嘉監督がメガホンを取った『夏の終り』(2012年)では、昭和の懐かしさが漂う洲本レトロこみちや洲本市役所北庁舎(現在は解体)、生田の棚田などで撮影が行われた。昭和30年代の風景を探していた熊切監督がロケハンした際に島内の風景を気に入り、当初の予定になかったロケ地も追加されたという。今後公開が予定されている映画作品の中には、海の見える山の上の診療所というロケーションを探していた撮影チームが全国を探し回って淡路島の眺望に行き着いたというエピソードも。また、俳優たちが踊る夢のような花畑としてあわじ花さじきで撮影されたインド映画や、近未来の物語を安藤忠雄建築の夢舞台で撮影したハリウッド映画など、海外作品にも登場。今年1月には、『摂氏100℃の微熱』が公開。阿万海岸海水浴場など島内各地で純愛ラブストーリーが紡ぎ出されている。
 「神戸などの都市部からも近いですし、棚田や田園などの自然や古い民家、街並みが残っていたり、かといえば夢舞台のような近未来的な建築物もあって、島の中にたくさんのロケーションがあふれているのが淡路島の魅力。島に一日いれば朝日も夕日も撮影できますし、四方に海が見わたせるのも喜ばれています」と、事務局の津守会美さん。淡路島フィルムオフィスはロケ地の情報提供だけでなく、地元のボランティアエキストラや関係施設の手配といった、撮影のサポートも行っている。

①映画「夏の終り」(2013年)生田の棚田での撮影風景
②洲本レトロこみちでのイベント風景
③ドラマ「長谷川町子物語」(2013年)慶野松原での撮影風景
④「長谷川町子物語」くにうみの館での撮影風景
⑤あわじ花さじきで撮影されたインド映画「JILLA」(2014年)
⑥「夏の終り」で洲本レトロこみちの空家が大衆食堂になって登場

映画からのメッセージを受けて歌を作りました にこいち

 『種まく旅人 くにうみの郷』主題歌を歌うのは、神戸出身のアコースティックデュオ「にこいち」。ともに須磨高校野球部だった松田央さん、井指冬輝さんは、7年前に路上ライブから音楽活動をスタート。今年1月21日に発売された主題歌「今日も風が吹く」でVAPよりメジャーデビューした。
 作曲を手がけているギタリストの松田さんは「今回、映画鑑賞後に試写室を出た瞬間に曲が浮かんだ」という。一方、作詞を担当したボーカルの井指さんは「とても苦しんだ」と話す。映画から感じた言葉を多数入れ込んだが、何か決定打に欠けている…と、実際に2人で淡路島に出かけたことも。そこで島の風を感じ、松田さんはじめ多くの人のアドバイスを受けた。結果、「心を耕(たがや)す」という言葉が生まれた。映画を見て「大地を耕すことは、人の心を耕すこと」と感じたからだという。「それまではお互い、曲も詞も個人個人で作って合わせていましたが、ディスカッションして作り上げたのは今回が初めて。ほんまの意味で“にこいち”で共作した曲です」と井指さん。人と人とのつながりを描く詞を、2人のハーモニーが美しく力強く歌い上げる楽曲が完成した。プロデュースは親交のあったL⇔Rの黒沢秀樹さんが担当。エレキギターとしても参加している。
 新曲とともに映画を全国の人に広めたいと、5月30日の公開に向けて路上ライブも積極的に行う予定。「映画は本当にすばらしい作品です。第一次産業やものづくりのかっこよさを広めたい」と松田さん。

左:井指冬輝(Vo) 右:松田央(Vo G)


MAXI SINGLE
『今日も風が吹く』
¥1,143 (税抜)


イベント出演・ライブ情報は…http://nikoichi.net

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