3月号
神戸のカクシボタン 第十五回
写真/文 岡 力
「ハシビロコウ先輩にご挨拶」
昨年10月、あのハシビロコウが神戸にやって来た。アフリカに生息する全長約1・2メートル、大きなくちばしが特徴的なペリカン目の鳥類。獲物を狙う習性から一日の大半をほとんど動かずメンチを切りながら過ごす。そんなハシビロコウ先輩を間近で見るために向かった先は、神戸どうぶつ王国。以前、神戸花鳥園のあった場所に昨年7月リニューアルオープンした話題の動物園である。「花と動物と人とのふれあい共生」をテーマに60種800頭羽の動物と触れ合う事ができる園内。入り口付近の「コンタクトアニマルズ」と呼ばれるエリアで、兎や今年の干支である羊といった温厚な動物とたわむれ癒される。その後、目の前を猛禽類やインコといった鳥達が旋回するバードパフォーマンスを拝見し気分が高揚。学習ノート表紙で一世を風靡したホオジロカンムリヅルにも逢え大満足のひと時を過ごす。テンション高めの私に対し追い討ちをかけるかのように出現したのがお土産物を販売するコーナー。
バリエーション豊富なハシビロコウグッズの数々。まだ実物を見てないうちから大きなぬいぐるみをゲットし妙な達成感に浸る。少々、脱線し目的を失いかけたが最後にお待ちかねハシビロコウと面会。この日は、寒さの影響であいにくの室内展示。それでも上野動物園で見たときとは、比にならない位置から見ることができる。現在、世界中の動物園等で飼育されているのが30羽程度。うち2羽が同施設で飼育されている。雄のアラサトは、噂どおり全く動くことなく斜め45度に一点を見つめたまま。雌のカシシは、お客にお尻を向けたまま完全無視…世の中にこびることなくわが道をいく様が何とも言えぬ魅力である。暖かくなったら今度は、直にご挨拶したい。
神戸どうぶつ王国
神戸市中央区港島南町7-1-9
【営】平日10時~17時(土日祝は、17時30分まで)
【休】毎週木曜 ※GW・お盆のぞく
岡力(おか りき)コラムニスト
ふるさとが神戸市垂水区。著書「アホと呼ばれた’80S」「噂の内股シェフ」「関西トラウマ図鑑」
連載「大阪ロマン紀行」(大阪日日新聞)
出演「おちゃのこSaiSai」(J:COMチャンネル)
「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)