8月号
温泉旅館の次なる挑戦 金泉を“味わう”という発想|[塩プリン専門店]有馬金泉塩プリン ゆもん|7/16(木)オープン
有馬温泉の“金泉”から作りあげた塩をプリンに。テーマは「旅の余韻をひとさじに込める」。
創業70年の老舗旅館が手がける新事業には、温泉地の未来を見据えた想いが込められる。
金泉を思わせる茶褐色の蓋を開けると、とろりとなめらかなプリンが姿を見せる。ひと匙すくって口に運べば、まろやかな甘味にほのかな塩味が重なり、やさしい余韻がふわりと広がる。単なる〝甘じょっぱさ〟だけではない奥行き。その秘密は、有馬温泉の源泉・金泉から生まれた「金泉塩」にある。
「有馬温泉を何かしらの形でお土産として持ち帰ってもらいたいというところから企画が始まりました」。そう語るのは、店舗を運営する老舗旅館「高山荘 華野」の三代目、駿川裕司代表取締役だ。スイーツ男子でもある駿川さん。仕事柄、各地の温泉地を訪れるなかで温泉玉子に着目し、卵を活かしたスイーツ=プリンに可能性を見出したという。有馬温泉の恵みを活かし、温泉観光地の新たな手土産をつくれないか…。そんな想いから構想は始まった。約1年の開発期間を経て、プロのパティシエとともに金泉塩と素材のバランスを細部まで調整。「温泉を感じる風味を保ちながら、きちんと美味しいと思ってもらえるプリンに仕上げました」と駿川さん。塩プリン、塩キャラメル、抹茶と黒豆、蜜柑ジュレの4種すべてに、源泉・金泉由来の金泉塩を使用する。イートインのほか、食べ歩きや手土産に適したギフトボックスや保冷バッグも用意。〝ゆ〟の文字を湯けむり風に模ったロゴ、名塩和紙を柿渋で染めた壁紙など、華野が大切にしてきた「山野草やアート」の美意識を店舗や商品のデザインにも丁寧に落とし込んだ。
「温泉に活かされている有馬なので、現地で浸かるだけでなく、〝味わう〟という部分からも有馬の価値を感じてほしい」。駿川さんの言葉が示すように、ゆもんは温泉地の体験を〝食〟へとアップデートする存在である。
店舗は有馬温泉駅のすぐ前。温泉の湯を使ったもの(もん)と、駅という玄関口(門)を掛け合わせて名付けた〝ゆもん〟は、湯あがりや旅の帰り道に立ち寄れる新たな目的地となるはず。温泉宿としての役割から街の魅力を広げる存在へ。老舗旅館が次代へつなぐ新たな挑戦は、街歩きの楽しみを静かに更新していく。

旅館事業を手がける㈱華野の代表取締役社長・駿川裕司氏。「有馬温泉の思い出を持ち帰るお土産、有馬温泉をイメージできるギフト商品になれば嬉しい」

太古の海水が起源とされる「金泉」は海水の2倍の塩分を含む

金泉の恵みを凝縮した「金泉塩」

左上から有馬金泉塩プリン540円、塩キャラメル560円、抹茶と黒豆600円の定番商品3種類と、蜜柑ジュレ560円など、フルーツジュレ仕様のプリンは季節限定で展開

有馬温泉駅改札を出てすぐの場所。駅前はもちろん有馬川や滝など自然スポットへの回遊性向上も狙う
有馬金泉塩プリン ゆもん
神戸市北区有馬町1297-6
078-595-7566
9:30~17:30(不定休)












