2月号
神戸のカクシボタン 第三十八回 カウンター 独り寡黙に 男めし
ディズニー映画「わんわん物語」に出てくるような山盛りナポリタンの前で手を合わせる。タバスコの瓶を一心不乱に振り、フォークを握りしめ、口の周りに付いたケチャップを気にせず豪快に食す。男の美学と言うべき「独りランチ」の一幕である。
昨年の3月に三宮でオープンした「お一人様用スパゲティ専門店
ちゃっぷまん」が話題を呼んでいる。店名は、「ケチャップ」+「男(マン)」に由来。その名のとおり、客の7割が男性。パスタではなくスパゲティにこだわる洋食男子がラーメン店感覚で足しげく通う。
メニューは、全部で6種類。ここでは、カルボナーラは「かるぼ」、タラコは「たらちゃん」と呼ばれている。おススメは、定番のナポリタンをオムレツで包みハヤシソースとクリームをかけた「オムナポ」。それらの上に目玉焼き、ポテトサラダ、焼きチーズといった具材を追加でトッピングする事ができる。麺の量は、通常のお店で提供される300g(小)~1500g(テラ)まで選べる。テラを完食すると「?」と言う領域に進む。嬉しい事に600g(特盛)までは、追加料金がかからない。また、上限までは麺のおかわりもできる。
この日は、客の大半が注文するという特盛を注文。テーブルへ差し出された際に不安がよぎるもあまりの美味しさに難なく完食した。代表の金山順太さんにお話を伺った。「食べることをメインにした効率の良いお店がしたくて開業しました。最近では、女性客も徐々に増えております。実のところ私自身は、食が細くそんなに食べる方ではありません」と気さくに笑う。老若男女にかかわらず焼きスパゲティの真骨頂を体感あれ。
お一人様用スパゲティ専門店 ちゃっぷまん
神戸市中央区下山手通2丁目1-17城村ビル地下1F
定休日なし 11:00~23:00 ※土・日・祝 21:00まで
■岡力(おか りき)コラムニスト
ふるさとが神戸市垂水区。著書「アホと呼ばれた’80S」「噂の内股シェフ」「関西トラウマ図鑑」連載「のぞき見 雑記帳」(大阪日日新聞)「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)