7月号
harmony(はーもにぃ) Vol.29 宮城まり子さんのこと
宮城まり子さんが3月21日に亡くなりました。偶然にもその日は93歳の誕生日でもありました。
宮城さんは1968年に日本で初めての肢体不自由児のための養護施設「ねむの木学園」を静岡県に建設し、52年間運営に努力を重ねてきました。歌手として1953年「毒消しゃいらんかね」が、1955年「ガード下の靴磨き」などの歌が大ヒットし、庶民的な人柄は国民に親しまれていました。その彼女が身体の不自由な子ども達の施設を作り、福祉事業に取り組むようになったことでびっくりした人も多かったと思います。
宮城さんはかつてオランダの「ヘット・ドルプ」という小さな町を訪れたとき、障害のある人とそうでない人が一緒に自然に暮らしているのを見て、「こんな町を作りたい」と考えたそうです。私も20代の頃、この「ヘット・ドルプ」を訪れたことがあります。
宮城さんは後に、宿泊施設や、喫茶店、雑貨や、がらすや、毛糸や、吉行淳之介文学館、子ども美術館、地域交流インフォメーションセンターなどの施設を作りましたが、いろんな人たちが出入りできる「ヘット・ドルプ」の町が頭にあったのかもしれません。
宮城さんは映画「ねむの木の詩」「ねむの木の詩がきこえる」を製作したり、ねむの木の子どもたちによる劇団「虹」を結成し、コンサート活動を始めたり、子どもたちが絵を描くことにより、それぞれの才能を伸ばし、日本はもとより、ニューヨーク、ケルン、ローマなどで「ねむの木学園美術展」を開いたりしました。宮城さんは「福祉は文化であり、私は文化活動をしている、と思っています」と語っています。福祉と文化は別のものではなく、共に人間の暮らしを豊かにしていくものなのです。宮城さんが生涯をかけた活動から残してくれたメッセージの一つです。
愛の手運動は親に育てられない子どもたちに、
里親・養親を求める運動です。
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