4月号
ぶらり私のKOBE散歩 Vol.8
大切な方をおもてなし春の神戸「和洋」のこころ
華道「専正池坊」、煎茶道「日本礼道小笠原流」の家元である諸泉頼子さん。礼法や煎茶、華道の教室で全国をまわり、神戸でお客様をお迎えする諸泉さんがごひいきにされるお店、お好きなお店をご紹介いただいた。
諸泉さんは、父の仕事の関係で、16歳からロンドンに移住した。入学したのは、イギリスの貴族の子女が集まる全寮制の寄宿学校。そこで、伯爵夫人によって、立ち居振る舞いからテーブルマナーといった洋のマナーを学んだ。「高校生の多感な少女時代をイギリスで過ごし、大学はフランスへ。海外生活を終えて日本に戻り、日本の文化を改めて見つめなおすことができたのも、財産だったと思います」と、諸泉さん。「日本の礼法とヨーロッパのマナーは、形が大変違うのですが、この二つの心は全く同じだと気がつきました」。
神戸といえばスイーツ手みやげには「セセシオン」さんの焼き菓子
ヨーロッパの伝統的なお菓子の流れを受け継いでいる「セセシオン」のお菓子に目をとめたのも、そんな10代のころの大切な思い出につながっているのかもしれない。
「神戸といえばスイーツ。中でもセセシオンさんのお菓子は、全国各地に出向くときに手土産としてお持ちしますが、どなたにも喜ばれます。味がおいしいのはもちろんですが、パッケージもおしゃれですから、リボンをとくのも楽しくて」。バターやナッツがたっぷり入った焼き菓子が諸泉さんのお気に入り。
SECESSION
TEL.078-854-2678
神戸市東灘区御影2-8-7
営業 10:00~19:00 無休
お茶席のお菓子は「二つ茶屋」さんでお願いしています
煎茶会のお菓子は、先代から「二つ茶屋」で注文している。東灘にある工場で、現在は三代目の小竹正晃さんが諸泉さんの注文を聞き、茶会の菓子を手がける。2月にホテルオークラ神戸で開かれた茶会で、宇治の煎茶とともにふるまわれたのは、山芋のきんとんを萌黄色と淡いさくら色で色づけした、つぶあん入りのお菓子「さくら」。ひとあし早い春が茶会の席に登場した。
元町商店街に本店がある二つ茶屋。初代が京都で修業した京菓子の伝統を引き継ぐ。「和菓子は水で作るもの、というのが初代からの教えでした。当店は、国産の材料を使い、水には昔からこだわってきました」と、奥田広典さん。
二つ茶屋 本店
TEL.078-331-0755
神戸市中央区元町通3-7-9
営業 11:00~18:30 水曜日休
二つ茶屋 みかげ
TEL.078-822-2528
神戸市東灘区御影1-13-17
美味しく、サービスも行き届く大事な方をおもてなしするなら「トランテアン」
テレビや雑誌の取材などで神戸に来られる大切なお客様を、おもてなしのためにお連れするのは、神戸ポートピアホテルの最上階、フレンチレストラン「トランテアン」。神戸の街と海を一望する眺望もさることながら「お肉も野菜も、神戸の食材にこだわっていらっしゃいますし、おいしいだけでなくて、見た目も美しいでしょう。絵になるんですよ、お料理が。フレンチなのにあっさりしているのも喜ばれます」。ソムリエはじめ、スタッフのサービスも行き届いていて、リラックスできるのも魅力のひとつだという。
Trente et Un
TEL.078-303-5201(直通)
神戸市中央区港島中町6-10-1
神戸ポートピアホテル 31階
営業 ランチ/11:30~14:30(L.O. 14:00)
ディナー/17:30~22:00(L.O. 21:00)
※土・日・祝日のみ17:00~
月曜日休(祝日・振替休日を除く)
色彩にセンスを感じる御影のお花屋さん「ペタル」
諸泉さんが花材を仕入れるのは、阪急御影駅前の「フローリストPETAL」。店長の松浦康昌さん、てる代さん夫妻とは、独立する前からのおつきあいだという。
「ペタルさんのお花は、仕入れのときからある程度色彩をコーディネートされているのか、お花が組み合わせやすいんです。店長と奥様のセンスなのでしょうか。またこのお店は、新鮮なお花ばかりなので、生徒さんもペタルさんのお花はよく持つってびっくりされるんですよ」。春はきれいな花々がたくさんお目見えする季節。きれいなお花を見ると元気になりますね、と、諸泉さんとてる代さんは笑った。
florist PETAL
TEL.078-822-8770
神戸市東灘区御影2-2-8
営業 10:00~19:00 木曜日休
諸泉 頼子(Yoriko Moroizumi)
華道専正池坊家元 日本礼道小笠原流家元
二代目家元・諸泉祐正と三代目家元・祐陽の長女として神戸に生まれる。1965年より渡欧、フランス・パリ大学に学ぶ。2003年四代目家元を襲名。諸泉祐園として、煎茶のほか、いけばな、フラワーアレンジメント、マナーの教室を開講。