5月号
プラウド苦楽園 ―美しき池の畔に咲く 麗しき邸宅文化の結晶
そよ風吹けば静かな水面がキラキラと輝くニテコ池。その向こうに万葉集に詠まれた名次山、さらに六甲の目映い翠を望むこの地に、新たな邸が登場する。
野村不動産と関電不動産開発の共同プロジェクト「プラウド苦楽園」だ。ニテコ池に面した緑豊かな社がその舞台となる。プラウド苦楽園は、約2500坪の敷地に既存の樹木を程良く残しつつ、わずか30%の建ぺい率で65邸というプレミアムなランドプランに受け継がれる。阪神間で唯一、駅徒歩圏にある第二種風致地区内。自然と睦む環境は阪神間モダニズム時代の郊外住宅を思わせ、苦楽園口駅からフラットで徒歩8分という好アクセスでありながら、都市化が進んだ21世紀にこれだけの豊かで明媚な場所が残っていたのかと感嘆すら覚える。
それだけ特別な地だからこそ、それに相応しい建築を。この見事な景観に調和するよう設計された横のラインに確かな存在感を刻むフォルムは、木々の間から垣間見えるお屋敷の趣き。外壁は自然な土の風合いを有する大ぶりのせっ器質タイルなどを巧妙に使い分け、粗めの砂目地を深くとり、陰影と奥行きのある意匠を纏う。駐車場は、全邸分を自走式で完備している。一区画ごとにゆとりのある広さを確保しており、これも広大な敷地を誇るがゆえに成せる業だ。
洒脱な水盤が心癒やすエントランスの先のサロンでは、風流な花鳥図が荘厳なムードを醸す。越水浄水場の通り抜けや夙川公園など桜の名所はすぐそこだが、この絵の桜もまた一興。旧乾邸など阪神間の洋館によくみられた矢羽根型のヘリンボーン貼りのフローリングに、モダニズム文化の薫りが漂う。
ワンフロア2~3戸に1基のエレベーターでプライバシーにも配慮した住棟構成で、光と風を誘う両面バルコニーが中心のプランニング。折り上げ天井のアルコーブは私邸の独立感を高め、玄関扉は重厚感がありながら開閉はスムーズな特注品。美しく品格のある玄関は広く、ラグジュアリーな雰囲気を演出している。
リビングは天井高約2・5mと高く、外と一体化するような大きなサッシと相まって空間を開放感で満たす。オーダーメイド対応で、好みのデザインやスタイルを叶えることができるのも大きな魅力だ。室内のフローリングはブラックチェリーやウォルナットなどの無垢材からチョイスでき、オプションで石材調のタイルにも変更可能。また、キッチンや洗面台の天板の石材を天然御影石から選べる。エアコンなど一部の機器は外出先からもスマートフォンで操作可能だ。オール電化もエコで快適な毎日を約束してくれる。ドアノブや水栓など細やかなパーツにもこだわり、触れば本物だけが持つ確かな感触が伝わってくる。
これまで、歴代のアメリカ合衆国総領事をはじめ、錚々たる名士たちが邸を構え、邸宅地としての歴史と風格が刻まれているニテコ池の畔。野坂昭如や村上春樹など、作家たちも作品に綴ったこの地の記憶を継承する邸では、どんな人生の物語が紡がれていくのだろう。