2012年
7月号
誰とでも乾杯して盛り上がってしまえそうな「デリランテ」の空間

ぶらり私のKOBE散歩 Vol.2

カテゴリ:KOBE散歩

「エゴに溺れて耽美に走るマダムキキの歩き方」

エコール・ド・パリの時代に伝説と呼ばれた多彩な女優「モンパルナスのキキ」。彼女のように自由で多彩な人々とアートが集まる場「Mme KIKI マダムキキのお店」のオーナー・徳本賀世子さん(KAYOKINA)に、お気に入りのお店をめぐっていただきました。

イタリア語で“でたらめ”を意味する「デリランテ」でたらめに陽気な一軒目

その日、一杯目を飲んだお店は「デリランテ」。オーナーの春名良則さんは他にも「にはとりや」など飲食店を手がけており、この「デリランテ」は路地裏の酒場をイメージしたとか。店長が市場で仕入れてきた新鮮な食材で作る、炭火焼きとオーブン料理はイタリアンあり、和風ありの彩りあるおいしさ。季節の果物を漬け込んだサングリアなども人気で、「飲むのも食べるのもおいしい!」お店です。

誰とでも乾杯して盛り上がってしまえそうな「デリランテ」の空間


日替わり食材の「前菜の盛り合わせ」

炭焼きとオーブン デリランテ

TEL.078-321-6656
神戸市中央区北長狭通2-9-5
17:00~翌1:00

「グラン・ミカエラ・イ・ダゴ」で神戸のラテンな夜が燃えていきます

ハンター坂をあがって「グラン・ミカエラ・イ・ダゴ」へ。全国的にも珍しい南米チリ料理のお店で、神戸で創業して今年で38年、今は二代目のクリスティアン・メリリャン一色さんがオーナー。クリスティアンさんは、ヴィッセル神戸の専属通訳をつとめたこともあるなどサッカー界にも深い関わりがあり、ペレやマラドーナら歴代有名サッカー選手も訪れている。チリの名物「エンパナーダ」や魚介料理など、日本の食材を取り入れた伝統的なチリ料理を味わうことができる。

使わなくなった消防車等をチリに贈るボランティア活動にも携わるクリスティアンさん

スパイスの効いたお肉のパイ包み「エンパナーダ」とカクテル「ピスコサワー」

グラン・ミカエラ・イ・ダゴ

TEL.078-241-0367
神戸市中央区中山手通2-13-8 エール中山手2階
17:30~24:00 火曜休

ワインと出会って爆発する食材「obiobi」

炭火焼きとワインのお店「obiobi」のオーナーシェフ・菅徹さんとも旧知の仲だが、「最近このお店は人気で予約がとれないんです」と徳本さん。ソムリエ資格を持つ菅さんが、イタリア、チリ、ニュージーランドのワインなどリーズナブルでカジュアルなワインを取り揃え、それに合う料理を提案。炭火焼きは菅さんのインスピレーションが作り出すオリジナルソースで、また毎日仕入れる旬の魚介を使った和風料理なども。お客様は「しっかり召し上がりながら飲む方が多い」という。新しいおいしさと出会うときめき感がある。

「ラムチョップと粒マスタードのソース」後ろは「板うにとバケット」


「菅ちゃんのお料理は和食もメキシコ料理も、仔羊も全部おいしい」と徳本さん


様々なお店で修業を積み、最終的にワインメインのお店をと決めた菅さん

炭火焼とワイン obiobi

TEL.078-325-0606
神戸市中央区下山手通2-17-13
18:00~翌2:00 日曜休

「榎忠×マダムキキ」というショック 夕暮れのアトリエで

さて「Mme KIKIマダムキキのお店」。ライトグレーを基調にしたスタイリッシュな店内は、彫刻家・名和晃平さんとSANDWICHの建築チームが内装を手がけた。そして徳本さんはお店の中に、現代アーティスト・榎忠さんの作品を置きたいと考えている。その打ち合わせのため、西区の忠さんのアトリエを訪れた。徳本さんが以前出した著書が縁で出会った二人、一昨年、忠さんの伝説のバー「ローズ・チュウ」を再現した際には、徳本さんはチーママとなった。
これまで数多くの刺激的なパフォーマンスや作品を発表し、人々を驚かせてきた忠さん。これからは?と尋ねると「現代という時代や、美術界を見て次にどんな作品に取り組むか、じっくり見つめるための“遊びの時期”」と答えてくれた。「マダムキキ」において榎忠作品がどう存在感を放つのか、これからのふたりの活動も含めて、神戸にまたひとつ楽しみな事件が増える。

「Mme KIKIマダムキキのお店」

鉄の匂いがする榎忠さんのアトリエ


ライフルをかたどった作品を手に


作品「RPM」(一部)


日本を代表する現代アーティスト・榎忠さん

artとsweets Mme KIKIマダムキキのお店

TEL.078-271-8501
神戸市中央区布引町2-1-9 
(新神戸サンホテル1階)

今回のKOBE散歩MAP


「外食って楽しい!」ことを伝えるためのお店でもある、と春名さん


徳本賀世子 Kayoko Tokumoto

株式会社SAKAGO代表取締役社長、「Mme KIKI マダムキキのお店」オーナー、仔羊同好会(Associazione di Amatori di Agnello)会長。著書に『KOBEが素敵な117の理由』ほか。

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

  • 電気で駆けぬける、クーペ・スタイルのSUW|Kobe BMW
  • フランク・ロイド・ライトの建築思想を現代の住まいに|ORGANIC HOUSE
〈2012年7月号〉
ぶらり私のKOBE散歩 Vol.2
フロントアート
特集 ー扉 夏みつけたい
「心に届く旅」をお届けします
夏休み 人と自然の共生をまなぶ
もっと知りたい西神インダストリアルパーク 第3回
泡がシャリっと、冷たい〈生〉
一番搾りフローズン〈生〉が飲めるお店
夏みつけたい —ファッション情報
桂 吉弥の今も青春 【其の二十六】
知れば知るほど面白い 立ち飲みの世界
湯けむり便り 連載第3回
驚きの物流センター エスパス
地域医療の核として
神戸フィルムオフィス
発信!デザイン都市 オープンキャン行こう
創立100周年 無限大の未来へ
専門知識と技能でチーム医療をリード
親和力を養成します
楽しく子どもの英語教育を
ものづくりを支える人材を
世界に通用する 紳士たれ
二つの中高一貫教育で成果
中高一貫教育で3つの「シップ」を養う
古民家に集う アーティストたちの息吹き
みんなの医療社会学 第十九回
神戸市医師会公開講座 くらしと健康 58
★風さやか 愛と夢♥永遠のタカラジェンヌ 7月29日(日)に13周年記念公開録音…
田辺眞人の まっこと!ラジオ人物事典 「神戸っ子出張版」7
里親ケースワーカーの〝ちょっといい お話〟
草葉達也の神戸物語
神戸鉄人伝(こうべくろがねびとでん) 芸術家女星編 第30回
関西の地球人
浮世絵にみる 神戸ゆかりの「平清盛」 第7回
[海船港(ウミ フネ ミナト)]ライン河クルーズ⑦ モーゼル河を航く
触媒のうた 17