4月号
harmony(はーもにぃ) Vol.2 平穏死のすすめ
この2月に母が亡くなりました。97歳で、診断書には「老衰」と書かれていました。
1人暮らしをしていましたが、5年前から老人ホームに入居していました。時々体調を崩して病院に通ったり入院したりしていましたので、担当の医師やホームの看護師、ケアマネージャーたちとは終末期の看護や看取りについては、高年齢でもあり、母の意思を尊重して、「いっさいの延命治療はしない」という方針を確認し合い、文書も交わしていました。
母は亡くなる1ヶ月ほど前から食事を殆どとらなくなり、水は氷を少し口に入れるぐらいでした。「どこも痛くないし、苦しくもない」とかすれ声で会話が少しできるようでしたが、そのうち話せなくなり、手を握って話しかけると、かすかに握り返してくれました。穏やかな旅立ちでした。「私もこういう逝き方ができたら」と思えるような理想的な旅立ちでした。こういう最期を「平穏死」とか「自然死」と言われているようです。こうした死を迎えるためには、口から食べられなくなると点滴や胃ろうなど過剰な経管栄養を与えないことだそうです。自然にいのちが終わろうとしているときに、点滴などで水分や栄養分を与え続けると心臓に負担がかかり、苦しみが長引くだけのようです。しかし、食べられなくなり、死を迎えるときに何もしないでそのまま看取るというのは治療を業務とする医療機関では困難なようです。また、延命治療を何もしないことについては家族や親族の理解を得られないこともあります。どこで最期を迎えても、誰もが穏やかで安らかな「平穏死」が迎えられる社会であることを願います。
公益社団法人 家庭養護促進協会
事務局長
橋本 明
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