1月号
頼りになる地域の医療
一般財団法人甲南会 六甲アイランド甲南病院
院長 北垣 一成さん
住民の「安全で安心な暮らし」をささえる医療機関。その中心となる六甲アイランド甲南病院は、365日24時間救急患者さんの受け入れを行っている。小児科では六甲アイランド以外からでも受け入れを行い、地域連携に根ざした医療を提供する。
365日、24時間体制で救急対応
六甲アイランド甲南病院は開院21年目、20の診療科と307の一般病床を持つ総合病院です。80%が東灘区民、その中の約30%が六甲アイランドに住む患者さんです。
開院当初から小児、周産期、循環器、脳神経疾患を中心に救急患者さんを受け入れています。外科系、内科系の医師が365日、24時間待機し、当直医の専門外の救急患者さんの対応には、自宅で待機している専門医が応援できる体制を取っています。しかし全てに対応可能というわけではありませんので、状態によっては近隣の専門病院と連携して受け入れをお願いしています。循環器系に関しては24時間、救急隊と担当医師が直接ホットラインで繋がっています。小児科では週2回午後11時までの受け入れと、HAT神戸の「神戸こども初期急病センター」や地域の医療機関から入院依頼があった場合も受け入れシステムを整えています。
地域の期待に応える医療
医療の基本は患者さんにとっての「今、診て欲しい」だと考え、当院かかりつけ患者さんはどんな場合でも「断らない」という意識を職員全員が持つように心がけ、皆で頑張ってくれています。もちろん遠方からの救急患者さんも可能な疾患であれば受け入れ、時には東は尼崎、西は加古川から搬送されて来るケースもあります。
このような救急体制の維持には若い医師の確保が急務です。そこで神戸大学の協力の下、後期研修医を派遣いただき総合医として救急対応の支援をいただいています。
病院間の連携と協力
甲南会には当院のほかに、甲南病院と甲南加古川病院があります。当院で急性期を脱した患者さんは甲南病院でその後必要な治療を受け、逆に甲南病院には循環器科がありませんので心筋梗塞など起こした場合には当院で引き受けるなど連携を取っています。眼科や乳腺外科では2病院から支援を受けるなど、協力しながら地域の期待に応えられるよう努めています。また、近隣の医療機関とも話し合いや情報交換の場を持ち、連携を取りながらそれぞれが得意な分野を生かし、患者さん一人ひとりにとって最適な医療が行なえるよう努めています。
優しい医療を目指す
当院でも低侵襲医療に努めています。高齢化社会に伴って最近増えている疾患はやはりがんですが、CTの性能が高くなり15秒程度で全身の小さな病変も見つけることができ、腹腔鏡手術を基本として1週間程度で退院が可能です。1.5テスラのMRIを導入しましたので、特に脳や脊柱の疾患では診断能力が飛躍的に向上しました。血管造影はダイナミックCTを使えばカテーテルを入れることなく全身の血管を見ることができます。その他、色々な検査や治療で患者さんの負担を少しでも軽減できるよう、新しい技術と医療機器を取り入れながら優しい医療を目指しています。
六甲アイランド甲南病院
神戸市東灘区向洋町中2-11
TEL.078-858-1111
http://www.kohnan.or.jp/rokko/index.html