1月号
神戸インランドで働く喜び
西神工業会会長
株式会社吉富運輸 代表取締役
上田 勇次さん
日本で最初の職住近接型の大規模工業団地として整備された「西神インダストリアルパーク」。
〝パーク〟という名称にふさわしく豊かな自然に囲まれた環境だ。
広い敷地と緑豊かな環境
―西神工業会とは。
上田 神戸市西部に位置するこの丘陵地帯には、神戸市の産業用地として分譲された5つの地域があり、その一つが「西神インダストリアルパーク」です。現在、会員数は130社で、1万3015名が働いています。その西神工業団地連絡協議会といえるのが「西神工業会」です。5地域それぞれが連絡協議会等を設け独自に活動し、もちろん横の連携もとり、親睦を深めています。
―一番の魅力はやはり環境の良さですか。
上田 地図をご覧いただくと分かるように、多くの池の周りに緑あふれる公園がたくさんあります。昼休みになると、あちこちの企業さんから従業員が散歩がてら出てきてリフレッシュしています。野球ができるグラウンドやテニスコートもあり、環境には非常に恵まれています。
―道路のアクセスも良いですね。
上田 阪神高速北神戸線や第二神明道路から近く、少し上がると山陽自動車道・中国自動車道です。物流という点でとても便利な立地です。
―働く人たちにとっても便利ですね。
上田 市営地下鉄西神中央駅が近く、工業団地内の市バス路線も充実しています。
―30年を超えるこの工業団地は、当時のパイオニアですね。
上田 昨年が30周年でしたから、計画段階からいえばもっと長いということです。昭和40年に西神ニュータウン開発計画がスタートし、その一環として昭和44年から工業団地計画が始まったそうです。
―工業団地というと雑多なイメージがあるのですが、この団地内はすっきりして、とてもきれいなのはなぜでしょう。
上田 建築の基準に沿って建物が造られています。会員企業の中には、公園の中に研究所があると言ってもいいほど、とてもきれいにされているところもあります。工業会でも清掃等を行っていますので、その成果でしょうか。また、工業団地内がいくつかに区割りされていて、それぞれがきちんと管理されているという理由もあると思いますね。
―この工業団地にやって来ることの企業としてのメリットは。
上田 まず一つは、これほどの敷地をこの立地で確保できる条件は、ほかではないということでしょうか。もう一つは、交通アクセスが良い上に、近隣が住宅街ですので、パートさんを含め従業員を雇用しやすい環境ということもあると思います。
「西神IPフェア」は地域の年中行事の一つ
―日頃の主な活動は。
上田 事務局を中心に、環境部会で防災福祉コミュニティ活動として市民救命士講習会や消防講演会、交通安全講習会などを開催、体育部会でハイキングや親善ゴルフコンペなどを開催しています。
―年に1回開催の「西神インダストリアルパークフェア(IPフェア)」も好評ですね。
上田 最も大きなイベントで、昨年8月の開催で20回目を迎えました。1993年、神戸市さんがアーバンリゾートフェアを開催し、イベントでの地域振興を推奨していました。それに応え、工業団地として何かできないかと検討し、始めたイベントです。工場の見学とスタンプラリー、防災体験、フットサル大会、グラウンドゴルフ大会などを3日間にわたり実施します。とても好評で、地域では年中行事の一つになっていて、皆さんに楽しみにしていただいているのですが、残念ながら昨年は2日目、3日目は天候不良により安全第一を考え中止せざるを得なくなりました。
―大きな地域貢献ですね。
上田 そうですね。地域の皆さんとの交流の場にもなっています。主にこのIPフェアが評価され、昨年は「県民ボランタリー活動賞」をいただきました。
―今後も継続して地域貢献にご尽力ください。最後に、これからの西神工業会についての抱負をお聞かせください。
上田 時代がどんどん変わってきています。それに応じて、必要性の高いものもあれば、そうでないものもあります。それらを選別しながら、会員それぞれのニーズに合ったスタイルを提供し、地域・社会貢献のお役に立てたらいいなと思っています。
―ありがとうございました。