1月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト:桂 そうばさん
(落語家)
草葉 福岡の御出身ですね?
そうば そうです。
草葉 落語との出会いは福岡で?
そうば いえ神戸大学の落語研究会に、入部する時に初めて聞きました。
草葉 えっ!落研に入ってから(笑)
そうば それまでは落語が何かもわからなかったですし、漫才との違いなんかも判らなかったと思います。下手したら落語という言葉すら知らなかったかもしれません。
草葉 (笑) そうですか。それが、またどうして落語研究会に。
そうば 新入生勧誘で誘われまして。
草葉 お前おもしろいから入れ!みたいな感じで?
そうば そうですね(笑)。
草葉 職業にしようと思ったのは?
そうば 私は大学を浪人して入って、さらに一年ダブっていますので・・・。
草葉 超親不孝ですね(笑)。
そうば 親不孝です(笑)。卒業してから薬品会社に就職しまして、二年半働いていました。働いていた時に職場が嫌とか不満は全くなかったのですが、何かやりたいことやってみたいなと思ったのが落語でした。それしか、やったことが無かったですからね。
草葉 安定した仕事を捨てて。
そうば 働いてお金もらってみたものの独身でしたから使い道もないですし、ここに本当の幸せはないのと違うかなーと思いましたね。今は貧乏なのですけども(笑)、嫁さんと子どもがいますが、お金がファーストチョイスではないですね。まぁあったらええなぁという感じです。
草葉 大学時代は、どちらにお住まいで。
そうば 王子公園に五年住んでいました。
草葉 おーそうですか。福岡から神戸に来てどんな感じでしたか?
そうば それがね、福岡と神戸って似ています。どうも聞くところによると、福岡の都市計画は神戸をマネしたらしいです。
草葉 へぇー、言葉も近い感じはありますよね。
そうば そうですね、どぎつい関西弁じやなくてね。
草葉 近所で何か思い出の店とかありますか?
そうば とにかく学生時代は原付で自宅と部室の往復でした(笑)、よく行ったのは神戸大学の先輩でもある桂吉弥(かつら・きちや)兄さんも働いていた阪急六甲のピザエフ(PIZZA F)というお店とか、阪急六甲の北側にある双葉寿司です。実はそこの大将が急死されましてね、とてもいい大将でね、私が就職しました!と言いに行ったら『そうかこれ祝いや!』ってビール五本出してくれて、会社辞めて桂ざこば師匠に弟子入りしました!と言いに行ったら、また祝いやってビール三本出してくれて、二本減りました(笑)。すごいいい大将でした。残念です。
草葉 そうですか。他によく行ったところは?
そうば 家の近所に小さい豚まん屋さんがあって、名前なんやったかなー。貴乃花によく差し入れする言うてましたわ。知らんがなという話ですが。
草葉 (笑) 神戸多いですよ、その小さい豚まん屋さんが(笑)。神戸と言えばお洒落な所がたくさんありますよね。
そうば そんなところは程遠いですよ(笑)。そうそう、よく行くのは阪急三宮西口の高架下にある七兵衛っていうカツ丼屋さん。
草葉 あの海鮮丼のある通りですか?
そうば そうです。あのどんぶりストリートにある店です。
草葉 どんぶりストリート(笑)。
そうば その七兵衛の手前にある店で、なんとかロックという店のたたき丼もめちゃくちゃ美味かったです。
草葉 結局、どんぶりストリートですね(笑)。
やはり大学時代に過ごしたところに思い出が多いと言う桂そうばさん。神戸どんぶりストリートを、ぜひ世の中に広めてください(笑)
桂 そうば(かつら そうば)
昭和53年8月10日 福岡県福岡市生まれ
福岡県出身の数少ない上方落語家。
趣味は株取引、丼もの・カツカレーの食べ歩き、サッカー観戦。
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科
阪南大学国際コミュニケーション学部非常勤講師
ひょうご老舗会実行委員長