2015年
6月号
6月号
神戸の粋な店 料理 十津川
産地直送で届く素材を生かす
18年前、脱サラした久保正樹さんとお料理好きな奥様の真喜さんが開いた「十津川」。「私は素人ですから料理の技術など何も持っていないんですよ」と言いながら手際良く魚をさばき、焼いたり炒めたり…。吊り下げられたキンキに目をやると、「釣れてすぐ〆たものが北海道の漁師さんから届いたので干しています」と説明してくれた。5月に解禁になる由良川の天然ウナギ、7月第1周目から10日間だけの〝日本一〟と称される宮津のトリガイ、淡路島由良のウニ、11月には解禁になるタグ付きの間人蟹等々、漁師さんから直送で届く。カウンターには、北海道、富良野直送のアスパラや京野菜など産地直送野菜の他、自家製の無農薬野菜が並ぶ。
何故こんなに新鮮な食材が日本中あちこちから届くのかと尋ねてみた。「この店を始めてから旅行といえば漁場巡りです」と真喜さん。二人で漁港へ行き漁師さんと話して直送してもらい、時間をかけて信頼関係を築きここまでやってきたという。野菜や神戸牛も然り。「うちは素材が8割、残り2割は気持ちです」と仕入れをする正樹さんはにこやかに話す。この人柄が美味しい素材を集めていると納得させてくれた。
お客さんの好みは、食材はもちろん調理法まで知り尽くしている。器は正樹さんお気に入りの信楽焼作家に作ってもらい、真喜さんが庭で摘んだ山野草を飾る。華美に過ぎない料理と設え、さり気ないおもてなしが心地よくて、今夜もまた常連さんが足を運ぶ。
■料理 十津川
神戸市中央区中山手通
1-7-19 平安ビル1F
TEL:078-321-1323
営業:18:00~23:30
定休:日曜・祝日
【推薦人】
㈱ジュピターインターナショナルコーポレーション
代表取締役社長
キラン・S・セティさん