3月号
ワシントンの「日米友好の桜」百周年
贈られた桜は伊丹産の桜です
アメリカ・ワシントンD.C.にあるポトマック河畔の桜並木は、明治時代に日本から贈られたもの。その桜は、伊丹市にルーツがある。
1909(明治42)年、当時の東京市長より二千本の桜がアメリカに寄贈されたが、桜に害虫が発生し、焼却処分になってしまった。次は害虫に強い桜を贈ろうと、「接木(つぎき)」の方法で丈夫な苗木を育てる計画が立てられ、台木(接木の台にする木)づくりは植木の産地として高い園芸技術を持つ、伊丹の東野村にまかされた。丈夫な台木に接ぎ木された苗木約六千本は、1912(明治45)年、横浜港から出港され、アメリカに到着した。
河畔に並ぶ、日米親善の桜の木は、その後も多くの人々によって守られ、今も美しい花を咲かせる。毎年ポトマック公園で行われる「桜まつり」は大統領夫人による植樹式など、春の一大イベントとなっている。
1915(大正4)年にはアメリカから感謝のしるしとしてハナミズキ、また桜が贈られてから90周年を記念して2003年にはワシントンの桜の子孫樹が日本に贈られ、その「里帰り桜」は伊丹市の瑞ヶ池公園に植樹。
今年は桜が贈られてから100周年にあたり、伊丹市では記念事業が行われている。
日米友好の桜を東日本大震災復興のシンボルに
昨年3月に起きた東日本大震災では、海外から、とりわけアメリカから「トモダチ作戦」として大きな災害援助活動が行われた。このたび、アメリカからの支援に感謝するとともに、震災からの早期復興を願い、震災から1年を迎える3月に、市民交流のもとアメリカの関係者の参加も得て、仙台空港で祈念植樹が行われる。
植樹される苗木は、ポトマック河畔の「日米友好の桜」の子孫樹で、伊丹市で育成されているもの。東野地区の農家では、現在、植樹される苗木の準備が進められている。
【日米友好の桜寄贈100周年事業】
◆東日本大震災被災地(岩沼市・名取市)での日米友好の桜の復興祈念植樹
3月17日(土)仙台空港臨空公園
◆日米友好の桜 100周年記念式典
3月27日(火)13:30~
伊丹商工プラザ6階 マルチメディアホール(参加無料)
出演:道上洋三、坪内稔典 ほか
◆伊丹の桜の名所を訪ねるウォーキング
4月8日(日)※要事前申し込み
昆陽池・瑞ヶ池公園や東野地区などほか(有料)
◆100周年オリジナル切手シートの発売
3月1日より伊丹・尼崎市内の郵便局で販売
※他にも市内各地で多数の記念イベントが予定されています
(問合せ)伊丹市都市デザイン課
☎072-784-8068