3月号
草葉達也の神戸物語
ゲスト: チャーリー・コーセイさん
(ミュージシャン)
「アニソン」ってご存知ですか? アニメソング、つまりテレビアニメなどの主題歌のことを「アニソン」と言い、単なるブームではなくカラオケなどでは、すっかり定着しています。最近は若い人だけでなくカラオケに行くと、自分たちが子供の頃に流行った「アニソン」を熱唱する中年サラリーマンも多いそうです。そんな「アニソン」の名曲のひとつに「ルパン三世のエンディングテーマ」があります。誌面なのでお聞かせできないのが残念ですが、アニメ好きでなくとも聞けば知っている方も多いはず。その名曲を歌うのが、神戸生まれ神戸育ちのミュージシャン、チャーリー・コーセイさん。
「チャーリーさんのことは知ってましたが、神戸在住とは知りませんでした」「神戸在住言うか、ずっと神戸(笑) 中山手三丁目で生まれましたから。生田神社の西門のちょっと西かな」「チキンジョージ辺り?」「そうそう、生田警察の真裏ぐらい」「何年のお生まれですか?」「昭和二十五年の十月十四日、鉄道記念日です」「(笑) じゃ学校もずっと神戸ですよね」「そうそう、ミカエルからマリスト国際学校」
「その当時の神戸ってどんな感じでしたか?」「なんか、もっと静かというか人口も少なかった気がしますね」「どんな遊びをされていましたか?」「学校の友達とも遊んだけど家がバラバラやから、やっぱり近所の子供と日本人がする遊び、ビー玉とかベッタン(メンコ)なんかをしてたね」「私の子供の頃も空き地がたくさんありましたが、北野の辺りもたくさんありましたよね」「そら戦後十年の生まれやから(笑) 空き地は北野にもたくさんありましたよ。そこで陣地つくったり、マントつけて月光仮面の真似したりね」
「そんなチャーリーさんが音楽と出会ったきっかけは?」「確か中学二年生の時に三宮のジャズ喫茶の子が転校してきて、すぐに友達になって、その子がもう音楽やっていたので一緒にやらないかというのがきっかけやね。ちょうどビートルズが出た頃やったしね。じゃ集まってバンドやろかということになって、でも当時はギター持っているだけで不良や言われた時代やったから、親御さんたちが集まったらしいわ(笑)」「(笑)えらい時代ですね」「今から考えるとバカみたいやね。不良になるどころか更生していくのに(笑)」「そのままミュージシャンになろうと」「いやいや、もちろんそういう気持ちはありましたけどね。料理が好きでね。うちはおばあちゃんの時代から神戸で中華料理屋をやっていて、私も見よう見まねで子供の頃から鍋振っていたから料理人にと」
「あのルパンの曲との出会いは?」「一度音楽をやめたけど、ちょっとしたきっかけで、バンドデビューした時があって、その時に手塚治虫先生の「千夜一夜物語」という日本初のアニメ映画のBGMをやらせてもらって、それを聞いて私の声質を気に入ってくれた人から声をかけてもらいました」「東京へは?」「二年ぐらい居たけど、子供の学校とかの関係もあったし、やっぱり神戸に帰りたかったね」
「神戸の良さは?」「都会でもなく田舎でもなく、海・山・温泉・ゴルフ・・・何でもあるしね(笑) 神戸は最高です」
昨年末で長年続けていた店を閉めて、今はゆっくりしたいというチャーリーさん。これからも歌い続けて欲しいです。
チャーリー・コーセイ
ビートルズに影響を受けて中学時代からバンドで活動。インターナショナルスクール卒業後ロックバンド「ザ・ヘルプフル・ソウル」のベーシスト兼ボーカリストとしてデビュー。バンド解散後、ソロでテレビアニメ『ルパン三世』の主題歌を歌い、人気を不動のものに。現在も、全国的にライブ活動を続けている。
くさば たつや
神戸生まれ。作家、エッセイスト。
日本ペンクラブ会員、日本演劇学会会員
神戸芸術文化会議会員、大阪大学文学部研究科