2019年
9月号
自分だけの贅沢な時間を愉しめるBar

神戸のカクシボタン 第六十九回 まったりとした空間で自分だけの贅沢な時間

カテゴリ:洋食, 神戸


写真/文 岡 力

古くからの常連で賑わう店内、そこへ本を片手に「空いていますか…」とゆっくり扉を開ける一見さんの姿。秋の夜長、自分だけの贅沢な時間を愉しめる場所がある。中山手通の路地にある一軒のBar。看板には「まったりコアラb」という不思議なネーミングと可愛いイラストが描かれている。
「店名ですか?私の動物占いと血液型に由来します」とカウンター越しで笑うオーナーのSamさんは神戸市東灘区育ち。サラリーマン生活を経てこれまで京阪神で飲食店を営んできたが今夏より現在の場所でBarを開業した。これまでと違い何か特色を活かそうと店内には書庫を設置。ずらりと並ぶ様々な本のタイトルを眺めているだけでも飽きない。まずは、氷の入っていない濃い「神戸ハイボール」で乾杯。アテを相談したところフードメニューも充実している。全て自家製と言う絶品の「ビーフシチュー」や吉野葛と十勝の小麦粉を練り込んだ「冷やしうどん」など細部に渡りこだわりが感じられる。
「仕事帰りにお一人でお越しになられる方が多いです。この場所で長く店を続けたい。それだけです」と手際よく切り盛りしながら語るSamさん。最後に締めを相談したところ出てきたのが「泡盛珈琲」。芳醇な香りと深みのある味わい。「非常に美味しいですが…チェイサーをください」と想定外のインパクトに思わず注文した。寝つけと眠気覚まし両方に最適な水分を摂取したその夜は、秋の風に当たりながらほろ酔い気分で家路についた。

自分だけの贅沢な時間を愉しめるBar


オーナーのSamさん


神戸ハイボールと自家製ビーフシチュー
泡盛珈琲はクセになる一杯

■本・Bar「まったりコアラb」

神戸市中央区中山手通1─7─18
リードサザン中山手201
【営】18時〜0時 【休】日曜・祝日


■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家

ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載・レギュラー「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)