2019年
9月号

神戸新開地・喜楽館 番外編|出演者はこうして決まる!

カテゴリ:文化・芸術・音楽, 文化人, 神戸


2019年7月、2年目を迎えた神戸新開地喜楽館。上方落語の定席として毎日楽しむことができるのが昼席です。14時からの2時間半。落語7席と色物と呼ばれる演芸が1席。出演者はどんなふうに決めているのでしょうか。

桂文之助さんを委員長に、神戸に〝ゆかり〟のある上方落語協会所属の落語家さん、お囃子さんも加わり12人で「番組編成委員会」を結成。中には喜楽館オープンに向けて奔走されたメンバーもいます。月1回集まり、3カ月後の出演者を決めるために話し合います。
10月公演の番組編成会議は7月25日、天満天神繁昌亭会議室で開催されました。
この日は落語協会を通じて、会議がある事を事前にお知らせし、なるべく電話に出ていただけるようお願いをしているとか。皆さんが携帯電話を持ち、出演をお願いする落語家さんが決まるとすぐに電話。リアルタイムでどんどん出演者が決まっていきます。
まずは『大トリ』から。桂小春団治さん、笑福亭松喬さん、露の新治さん、笑福亭福笑さんとの出演交渉成立、笑福亭仁福さん、桂米二さんには、スケ(出演不可の日を埋めてもらう)を快く受けてもらいます。
続いて、中入り前の『中トリ』。ネタや芸風、年齢が重複しないこと、同じ一門に集中しないこと、出演者同士の相性(なかなか難儀な問題?!)も考慮し、直接交渉は続きます。後半のモタレ、カブリが決まってくると、中トリ前の前半へ。
「色黒続きはあかんやろ」「それ、芸風とちゃうし…」。「おっさん続きはむさ苦しいな」「一服の清涼剤に女性噺家を」
話しながら笑いながらの会議はさすが落語家さん。チケット代を払わなくちゃいけないかも。
トップは昼席最後まで残る事がお約束。楽屋の整理や先輩方のお世話などを担当するのがしきたりで、鳴り物の手伝いができることも条件だそう。二つ目、三つ目辺りでは、入門順が逆にならないように先輩方が気を使う場面もあります。
「個性的な人が続くな。ここは誰かシュッとした人が欲しいね」「ここ年齢層高っ…。突いたらこけそう。若い人はさもう」「だみ声かぶってますね。キレイな声は誰やろ」
どこまで本気か冗談か?
名前が挙がれば、すかさずコール、相手もほぼすぐレスポンス。どの日もどの時間もお客様が楽しめるように。メンバーの熱い思いが伝わります。
開始から3時間。長丁場ながら〝中入り〟もなく、テンポよく話が進み、なかなか埋まらない最後の一枠10月23日トップのスケは、桂團治郎さんがOK。30人以上の出演者が決定しました。「よっしゃ」「好感度上がるわ」「救世主みたいや」
絶妙な連携プレーと集中力に脱帽!!

豆知識

落語には様々な専門用語があり、出演の順番を表す言葉があります。
喜楽館の昼席は8席。
『一つ目』は前座。続いて『二つ目』『三つ目』。
次は『色物』。色物とは、落語のいろどりとなる演芸のこと。漫才や手品、曲芸などがあります。喜楽館では華やかな芸を選んでいるとのこと。
色物の後は『中トリ』。中入り(休憩)前、前半のトリのことです。締めとして落語家さんが務めます。中トリ後は、『カブリ』『モタレ』『大トリ』。大トリが興行の締めをトリます。


桂 文之助 さん
1956年生まれ。1975年
桂枝雀に入門。兵庫県立兵庫高校卒業。落語もできる気象予報士


桂 梅団治 さん
1957年生まれ。1980年
三代目桂春団治に入門。1997年四代目桂梅団治襲名。撮り鉄


笑福亭 学光 さん
1954年生まれ。1975年
笑福亭鶴光に入門。徳島県出身。趣味のスキューバダイビングで水中寄席を開催


桂 団朝 さん
1967年生まれ。1987年
桂米朝に入門。演芸・演劇鑑賞とダイエットが趣味


桂 あやめ さん
1964年生まれ。1982年
五代目桂文枝に入門。身近な女性を主人公にした創作落語が人気


勝 正子 さん
神戸市出身のお囃子さん。噺家さんに気持ちよく演じてもらえるよう心掛け、日々勉強中


林家 染雀 さん
1967年生まれ。1992年
林家染丸に入門。大阪大学卒業。趣味は茶道、長唄、三味線、日本舞踊


桂 三ノ助 さん
1971年生まれ。1995年
六代桂文枝に入門。神戸学院大学卒業。オリックスファン