8月号
里親ケースワーカーの〝ちょっといい お話〟
「有馬温泉の女将さんのご協力」
さまざまな事情によって、親と暮らせず施設にいる子どもたちに里親を求める活動を続けてきた家庭養護促進協会は、今年創立50周年を迎えました。
協会の運営は、6割が一般の方からの寄付金でまかなわれています。個人、団体、また匿名で本当に多くの方々が心のこもった寄付をお寄せくださっています。
その中には、有馬温泉の兵衛向陽閣の大女将・風早笙子さんがいらっしゃいます。風早さんはこれまでも、有馬友の会の皆さんとともに、旅館のガレージでチャリティバザーを開催し、売り上げを協会に寄付してくださったりしていましたが、20年ほど前から旅館の売店の片隅に「大女将の手づくりコーナー」を設け、ご自身が作った雑貨や小物などを置き、その売り上げを寄付してくださっています。大女将がお仕事を終えられて、家に帰ってから夜な夜な作られたであろう手づくり品の売り上げは、年に7〜8万円にもなり、それをいただきに、毎年末におうかがいするのが恒例となっています。
また、兆楽の女将・當谷泰子さんは、毎年8月の終わりに里親家庭の親子30~40人を旅館に招待してくださっており、こちらももう7年にもなります。里親と子どもは兆楽さんのお風呂やプール、お昼ご飯、カラオケなどを楽しませていただいて一日を過ごし、家族にとって忘れられない夏休みの思い出となっています。
こうした女将さんたちの協力は、私たちの活動を続ける励みになる一方、皆さんの期待に添うような仕事をしなくてはならないとも思っています。
6月15日には神戸新聞平和賞をいただきましたが、これは協会が受賞したというよりは、里親運動を支えてくださる無数の方々に代わって協会が賞をいただいたのだと、職員たちは感じています。
お話/橋本 明さん
〈家庭養護促進協会 事務局長〉
社団法人 家庭養護促進協会
TEL 078・341・5046
神戸市中央区橘通3-4-1
神戸市総合福祉センター2階