2015年
2月号
2月号
神戸のカクシボタン 第十四回
神戸で生まれたかつめし
JR三宮駅から徒歩で取材先へ。道中、ポートライナーが頭上を通過する度に「♪ポートピア~」と・・・そこの歌詞しか知らないゴダイゴの曲が頭の中で鳴り響く。そんな80年代あるあるを引っさげて向かったのは、創業41年になる老舗の洋食店「キッチンハウス おあしす」。料理マンガの金字塔であるビッグ錠先生の作品に出てきそうな店舗。私のような中高年は、「キッチンハウス」という響きが何とも昭和テイストで食欲が湧く。ドアを開けるとカウンター越しに見える厨房では、店主の水田价昭さんが和洋中40種にもおよぶメニューを手際よく独りで調理していく。ランチタイムになると安くてボリュームのある料理を求め多くのサラリーマンが店に訪れる。通常メニューも日替わりランチになると少し安くなるサービスが嬉しい。
ここの名物は、「かつめし」。加古川の郷土料理であるかつめしの話を聞き、ただの一度も口にする事なくアレンジした物を20年前から提供している。本家が牛に対して豚の肉を使用。白飯の上に薄く揚げたサクサクのトンカツをドカーンと盛りつける。そこに自家製デミグラスソースをたっぷりとかけ、最後に付け合せの生野菜とカットしたバナナを添えて完成。これぞ神戸で生まれ長年愛され続けているキッチンおあしす特製「かつめし」である。港町で独自に進化を遂げた絶品のパワーライスを御賞味あれ。
■キッチンハウス おあしす
神戸市中央区磯上通5-1-13
営業時間 8時~21時(食事11時~)
定休日 日曜・祝
■岡力(おか りき)コラムニスト
ふるさとが神戸市垂水区。著書「アホと呼ばれた’80S」「噂の内股シェフ」「関西トラウマ図鑑」
連載「大阪ロマン紀行」(大阪日日新聞)
出演「おちゃのこSaiSai」(J:COMチャンネル)
「Oh!二度漬けラジオ」(YES-fm)