2015年
8月号
国際ロータリー・ラビンドラン会長と共に。今年のテーマは、“Be a gift to the world”

自己研鑽し、親睦を深め、 友情のエネルギーを 社会に役立てよう!

カテゴリ:文化・芸術・音楽

国際ロータリー第2680地区 2015-16年度 ガバナー
丸尾 研一 さん

兵庫県内73ロータリークラブのサポート役としての多忙な日々が始まっているガバナーの丸尾研一さん。ロータリアン26年の熱い思いと今後についてお話しいただいた。

ロータリーとの出会いが人生を変えてくれた

―神戸西神ロータリークラブに入ったきっかけは?
丸尾 勧められるままに1989年1月1日に入会しました。自分の生活だけで精いっぱいなのに何のメリットもないなどと思い、正直なところ当初は「いつやめようか」ばかり考えていました。

―以来26年、続けてこられた原動力はどこにあったのですか。
丸尾 入会した翌年、深川先生(1990-91年度ガバナー深川純一氏)のスピーチを聞き、涙が止まらないほど感動しました。ロータリーに対する考えが変わっただけでなく、いかに自分がいい加減な人間だったかを思い知らされ、もっと成長しなくてはいけないと気付きました。私の人生を変えてくれたスピーチと言っても過言ではありません。

―所属する神戸西神は若者や子どもも多いエリアですが、青少年育成に力を入れているのですか。
丸尾 地区に25校あるインターアクトクラブの一つを滝川第二高校・中学校に置き、月2回開催する例会にコーチ役として出席します。この活動は、12歳から18歳の若者を対象に一人ひとりの良い所を引き出すという姿勢で臨み、奉仕の心を養い、国際理解を深めようという二つの目的を持っています。また、初代会長が生まれ育ったというご縁があり、台湾に姉妹提携クラブを持っています。現在は中断していますが、子ども同士の交流も行っていました。

―そして今年度、第2680地区ガバナーになられたのはどういった経緯ですか。
丸尾 クラブ推薦をいただいたものの、私には荷が重すぎると固辞し続けていました。そもそも私は子どもの頃から人前に出て目立つのが苦手ですから。でも、私の人生を変えてくれたロータリーの役に立てるのならばと、お受けすることにしました。が、ノミニー1年間で10回は心が折れそうになりました。「ここから逃れるにはあの世に行くしかないか?」と(笑)。

―ガバナーは準備段階からかなり大変だそうですね。
丸尾 2年前のガバナーノミニー(※①)から研修が始まります。昨年7月1日からガバナーエレクト(※②)として国内で2回のセミナーを受け、今年1月18日から1週間、アメリカサンディエゴではホテルで缶詰め状態。本会議後、十数名のメンバーに1人の研修リーダーがつき、RLI(ロータリー・リーダーシップ研修)方式で進められる分科会が1週間に16本あります。設定されたテーマについてランダムに指名され、スピーチしなくてはいけません。ゆっくりと、はっきりと、でも制限時間を超えたらそこまで、下を向いて原稿を読むのはダメ等々、どんどん指摘される90分はものすごい緊張感です。

―スピーチトレーニングですね。上手くなりましたか。
丸尾 なかなか…感動を伝えようと思えば思うほどかんでしまいます。面白いことを言おうとすると自分が先に笑ってしまいます。肝心の聴いている人たちがシーンとなったときには冷や汗。「ここ、笑うとこやで」とツッコミたくなります(笑)。感動を与えるのは難しい、笑いを取るのも難しい。

世界への”プレゼント”になろう

―2015-16年度のテーマは?
丸尾 今年1月、サンディエゴの国際協議会で今年度のK・R・ラビンドランRI(国際ロータリー)会長から発表されたテーマは”Be a gift to the world”「世界へのプレゼントになろう」です。”gift”には「プレゼント」という一言では表現し切れない多くの意味があると思っています。ラビンドラン会長の発表の瞬間、私の頭の中で今井先生(1980-81年度ガバナー今井鎮雄氏)のお顔がダブりました。今井先生が常々仰っていた「身を捧げよう」という意味がこの”gift”に込められていると思いました。我が身を削ってまでもという今井先生の生き様は凄まじいものがありましたね。何らかの自己犠牲が伴う奉仕のために心を養わなくてはいけない。実は、今井モデルは世界RYLA(ロータリー青少年指導者養成プログラム)のモデルにもなっているんです。

―第2680地区としてはどのようなテーマを持っておられますか。
丸尾 RIテーマを変えたり、付け加えたりはできません。ですから、このテーマを遂行するためのガバナー行動方針として”Try hard to enjoy pure Rotaly”を揚げています。純粋・高潔、そして私が最も強調したい「美しい」ロータリーを前向きに楽しむために、一生懸命、全身全霊、精いっぱいトライしよう!

いい人たちが集まり切磋琢磨、自己研鑽を

―7月1日から新年度が始まりましたが、実際にどんな活動が始まっていますか。
丸尾 地区には研修委員会、職業奉仕委員会、青少年奉仕委員会など11委員会、さらに小委員会も合わせると20以上の委員会があります。ノミニー当時からそれらを回りいろいろと勉強して昨年秋には人選を終え、7月1日からそれぞれが新年度の活動を開始しています。8月にはインターアクトリーダー研修で高校生のタイ王国スタディツアー実施が既に決定しています。7月15日からは、地区73クラブのガバナー公式訪問が始まっています。半年間の予定で毎日、時にはダブルヘッダーもありです。まず会長、幹事さんと話し合いの場を持ち、例会で25分から30分のスピーチをします。

―ロータリーを外部にPRしようという動きがあるようですが、ロータリーとは?
丸尾 認知度を高める必要はあると思っています。ロータリーは決して奉仕団体ではありません。では何をするのか?それは毎週1回決まった曜日の決まった時間に例会を開き、メンバー同士が切磋琢磨して自己研鑽を積む。月4回、1年に約50回、私など既に1300回! 何故こんなに頻繁に顔を会わせる必要があるのか? それは親睦を深め、友情のエネルギーを外に向けて使うのが目的だからです。

―エネルギーは自身の本業にも役立つものですか。
丸尾 決してビジネス上の直接的なメリットに結び付くものではありません。しかしロータリーでの活動は本業に100パーセント役立っていると私は確信しています。

―入会の条件や年齢制限などはあるのですか。
丸尾 年齢制限はありません。条件はただ一つ。毎週1回の例会出席について裁量権を持っているということです(笑)。

―会員減少という問題もあるようですが…。
丸尾 会員数を増やすことは大切なことです。いい人、磨けばいい人になる素質を持った人がどんどんメンバーに加わっていただければ嬉しいことです。しかし、クラブはそれぞれが自治権を持ち、地区は全クラブのサポート役ですから、ガバナーの私から指示するものではありません。ただし私は、数に拘るあまり、その質を落とすことがあってはならないと考えています。たとえ少数精鋭でも構いません。人間性を高める努力をして、社会に奉仕する心を養うのがロータリークラブの本来の姿だと思っています。

―1年間の激務ですが、質の高いロータリークラブのために頑張ってください。本日はありがとうございました。

※①②=クラブから指名(ノミネート)され、ガバナーに就任する2年前の7月1日に「ガバナーノミニー」の肩書を担い、任務に就く前々年度の国際大会で選挙された後、「ガバナーエレクト」となる。

故・今井鎮雄さんの精神は、RYLA(ロータリー青少年指導者養成プログラム)のモデルになっている


ガバナー就任にあたりロータリアンの手引書を網羅した


「ロータリーでの活動は本業に100パーセント役立っている」と丸尾ガバナー


サンディエゴでのリーダーシップ研修。1週間缶詰め状態で、スピーチの練習を行う


国際ロータリー・ラビンドラン会長と共に。今年のテーマは、“Be a gift to the world”


丸尾 研一(まるお けんいち)

国際ロータリー第2680地区 2015-16年度ガバナー
1952生まれ。1989年、神戸西神ロータリークラブ入会。2015年7月より、国際ロータリー第2680地区ガバナーに就任。株式会社エムエスケイ代表取締役。

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