8月号
耳よりKOBE 日本・ハンガリー交流のより一層の充実に向けて 駐日ハンガリー大使講演会
兵庫EU協会と関西ハンガリー交流協会が共催し、6月12日、兵庫県国際交流協会でEU各国セミナー『駐日ハンガリー大使講演会』を開催。駐日ハンガリー特命全権大使のイシュトヴァーン・セルダヘイさんが講演した。1999年に1回目の駐日大使に、2011年より2回目の駐日大使として赴任したセルダヘイ大使は、学生時代は近代日本史を研究、神戸大学に留学し、修士号を取得している。
大使はまず、ドナウ河流域にあるハンガリーの観光名所や、ハチミツ、フォアグラ、マンガリッツァ豚といった日本でも人気の特産品を紹介。続いて産業の話題に移り、ハンガリーには自動車メーカーの工場が多数あり、ベンツ、アウディ、スズキ等の自動車部品が造られていること、また自動車、食品製造メーカーをはじめ日系企業が多数あることを話した。近年、日本の製造業はハンガリーで拡大しており、2013年にはそれぞれの国に派遣される企業駐在員は両国の年金制度等に二重に加入する必要がなくなるなどの『日本・ハンガリー社会保障』協定が結ばれ、より一層の経済・人的交流が期待されているという。
2011年にはEU議長国をつとめるなどEUでも重要なポジションにあるハンガリー。日本とハンガリーの連携に関しては、ハンガリー単独との交流だけでなく、日本とEU、またハンガリーを含むポーランド、チェコ、スロバキアの4カ国で構成される『V4』、これら3つのレベルでの連携が可能であり、「それぞれ大切にしていくべき連携で、どの件をどのレベルで交流するか、選んでいくのが大使の役割です」と話した。講演後の質疑応答では、サッカーやハンガリーの地下鉄の話題などに広がり、「現在大学でハンガリー語を学んでいるが、将来これを活かせる職業に就きたい」と話す学生に、大使は「そういった若い方の活躍の場を広げるのも私たちの仕事」と語った。講演会終了後には大使を囲む懇親会が開かれ、それぞれが大使との会話を楽しんだ。