2月号
神戸南京町、この一皿
中華街・南京町。観光地としては有名ですが、神戸の地元の方は意外と知らない名店も多いのでは。今回は、地元の方にもぜひ食べていただきたい名物料理、隠れたおすすめ料理をご紹介。おひとりでも気軽に行けるお店や、大人数で大皿をシェアする、中国料理の醍醐味を味わえるお店など、スタイルもさまざまです。
栄和飯店
「フカヒレチャーハン」
鍋で煮込まれたあんかけチャーハンを、大きな肉厚のフカヒレが覆い、まずは感動を覚える看板メニュー「フカヒレチャーハン」。気軽に高級食材を味わえて、ボリュームもあるので、2~3人でシェアする人が多い。
三代目料理長の李宏基さんは大阪の有名ホテルで修行後に家業を継いだ。伝統ある栄和飯店の味を守りつつ、感動ある新しいメニューも導入。サンショウが効いた四川風麻婆豆腐などのピリ辛メニューや、干しアワビや干しナマコといった高級食材のメニューもお手軽な値段で楽しめる。
赤い柱に青い瑠璃瓦の、中国の宮殿風の装飾をはじめ、台湾の宮大工を呼び寄せて造った装飾や、風水を取り入れた中国伝統の縁起物など、店内の調度品も見もの。
■栄和飯店
神戸市中央区栄町通1-2-28
TEL:078-392-1982
【営業時間】11:00~21:00
【定休日】不定休
http://www.eiwahanten.com/
民生(みんせい) 廣東料理店
「神戸牛の季節野菜の炒め」
A5ランクの神戸牛は、元町の老舗精肉店から仕入れる肩バラ肉。中華特有の強い火力で炒めるのでお肉の旨みが封じ込められ、季節野菜もたっぷり入った満足の一品「神戸牛の季節野菜炒め」。 黄色の看板でおなじみの民生といえば、いかの天ぷら、レタス包みなどが名物料理だが、ぜひ神戸牛や魚介の料理も召し上がってほしい。県外からの観光客には特に人気だそう。
季節の料理では「タコのローメン」をはじめ、須磨の漁師さんが届けてくれる新鮮なタコを使った料理が人気。冬場は旬のアワビやサザエの料理がおすすめ。
■民生 廣東料理店
神戸市中央区元町通1-3-3
TEL:078-331-5435
【営業時間】11:30~15:00/17:00~20:00(L.O.は各30分前)
【定休日】月曜日(祝祭の場合は、翌火曜)
http://www.minsei.net/
劉家荘(りゅうかそう)
「焼鶏(しょうけい)」
国産地鶏に塩・香料などのオリジナル調味料を手ですり込ませ、高温で揚げた後に130度で蒸し揚げる。この創業以来の作り方が、冷めてもやわらかく、香りの良い「焼鶏」を創り上げるのである。「素材がいちばん」と話す代表の劉繕雲さんは、国産地鶏が手に入りにくくなった今でも、淡路の養鶏場から仕入れている。焼鶏は1080円~、お昼の焼鶏定食980円、お持ち帰りも可(半羽1400円~)。
数年前にリニューアルしたお店は、1階のカウンター席はおひとりでも気軽に食事ができ、2、3階はシンプルなオリエンタル風。3階は貸切専用となっている。名物の鶏料理以外にも、海老チリソースといった海老の料理も好評。
■劉家荘
神戸市中央区元町通1-4-8
TEL:078-391-7728
【営業時間】ランチ11:30~14:30
ディナー17:00~20:30(L.O.20:15)
【定休日】水曜日 http://www.ryukasou.com/
老祥記(ろうしょうき)
「豚饅」(ぶたまん)
創業者が中国・天津の「天津包子(てんちんぱおつ)」をベースに、醤油味を効かせた中華饅頭を売り出したのが1915(大正4)年。それが日本の「ぶたまん」の元祖となり、以来100年、今も毎日行列のたえない人気店・老祥記。麹を使った歯ごたえのある皮に、神戸の老舗精肉店から仕入れた良質のバラ肉を粗めにミンチし、青ねぎを入れて醤油で仕上げた具を包み込む。大きな蒸し器で絶妙のタイミングで蒸し上げると、肉汁たっぷりで風味の良い豚饅のできあがり。
できたてを食べるのが一番だが、お持ち帰りして冷めてしまったら、強火で10分ほど蒸すか、油を入れたフライパンで焼くのもおいしい。そのままでも美味しいけれど、からしや酢醤油+一味唐辛子のタレをつけたり、マヨネーズ+一味唐辛子もおすすめ。
■老祥記
神戸市中央区元町通2-1-14
TEL.078-331-7714
【営業時間】10:00~18:30(売切れ次第終了)
【定休日】月曜日
http://roushouki.com/
中華菜館 龍郷(りゅうきょう)
「フカヒレの姿煮込み」
“舌に自信のある”食通を唸らせてきた料理長・道筆正則さん渾身の一皿「フカヒレの姿煮込み」は、大きなMサイズの国産フカヒレを、醤油で煮込み、隠し味に自家製の牡蠣油醤(オイスターソース)を加えた逸品。「勉強熱心で、独創性のある料理をこだわりぬいて作る」と、マネージャーが全信頼を置く道筆料理長は、調味料からすべて手作り。広東料理が中心だが深いコクと辛みがクセになる四川麻婆豆腐など名物は多数。フカヒレを気軽に味わいたい方は、スペシャルランチ(1650円)、前菜、ライスまたは麺、デザートがついたフカヒレ姿煮コース(6500円)がおすすめ。
少人数で囲める円卓から、大人数に対応できる宴会ホールまで完備されたキャパの広さも魅力。
■龍郷
神戸市中央区栄町通1-3-16チャイナコート2・3階
TEL:078-391-2937
【営業時間】平日 昼11:30~15:30 夜 17:00~21:30
※土・日・祝の夜の営業時間は16:30から
【定休日】月曜日 http://www.ryukyo.com/
天福茗茶(てんふくめいちゃ)
「抹茶杏仁豆腐&あずき」
中国で1500店舗を展開する中国茶専門店「天福茗茶」による、一階は茶葉と茶器の専門店、二階は中国茶とスイーツのカフェ「陸羽茶藝館(りくうちゃげいかん)」。カフェでの人気はタピオカの入ったスイーツで、黒糖とキャラメルを使用した大粒の台湾風タピオカは香りが良くモチモチの感触。本格的な急須で飲む工夫茶や、気楽に楽しむ蓋碗セット、茶葉から出てくるお花を楽しむ工芸茶など、本場の中国茶をゆっくり楽しむことができる。タピオカ入りドリンクは一階でテイクアウトも可。
中国茶は季節や茶畑の標高などによってランクがちがい、「天福茗茶」では特級、上級などの中国茶約80種類を扱う。量り売りもあるが、人気の茶葉を少しずつ詰めたセットは入門編として人気。
■天福茗茶
神戸市中央区栄町通2-8-15
TEL:078-333-0229
【営業時間】11:00~19:00(L.O. 18:30)
【定休日】無休
http://tenfuku.co.jp/
日本三代中華街のひとつである南京町。
東西・南北に広がる商店街の中心には南京町広場があり、中央に六角堂の「あずまや」があります。この「あずまや」は1983(昭和58)年に建てられた、朱色の柱と二層の屋根が豪華で異国情緒あふれる建物です。昨年、建立以来初めてリニューアル工事が行われ、より美しく鮮やかな色彩に塗りなおされました。
※「南京町」は南京町商店街振興組合の登録商標です。