2015年
7月号
テーブルから調度品にいたるまで、手づくり感が溢れる店内

神戸の粋な店 黒毛和牛と WINE 離の宴(はなれのうたげ)

カテゴリ:グルメ

肉屋ならではの料理と通も納得のワインの店

 〝手づくり感〟満載の店内に、神戸きっての名だたるグルメたちが集い、肉料理とワインを楽しむ。そこには1948年「山本精肉店」創業以来65年のドラマがあった。
 1995年の阪神・淡路大震災。飲食・料理の道に入っていた三代目山本兄弟が営む店は全壊し、兄の耕資さんは地元に戻った。店先に惣菜を置くと、震災でばらばらになった顔なじみのお客さんが戻って来てくれた。話がはずみ、椅子を出し、お酒を出し、「びすとろTHE 屋台」ができた。2000年、神戸にやって来たパンダの取材クルーの間で、「おもしろい店がある」と話題になり、縁あって百貨店のイベントにも出店し、大忙し。そこで03年、「黒毛和牛とWINE 離の宴」をオープン。
 老舗肉屋が扱う素材の質の高さと旨さは言うまでもない。前菜から〆まで肉がメインのコース料理。モモ肉、ホホ肉、サーロイン、フィレ、ロース、ハラミ、タン、アキレス、ひぞう、食道…精肉からホルモンまで、一頭買いの肉屋が長年培ってきた技術があるからできる。「味や食感を余すことなく楽しんでもらおうと、屋台当時から試行錯誤してきました」と耕資さんは話す。ワイン通をも納得させるラインナップは5大シャトーをはじめ350種類以上。通も驚くビンテージワインもある。「なんで、こんな店に!?と言われます(笑)」
 家族4人で切り盛りし、ほとんどの料理を手づくりする店の中心に居るのは真稔さん。肉をさばく祖父の姿、美味しく食べてもらうために工夫する父の姿を見て育った四代目へと、その技と熱い思いは着実に引き継がれている。

テーブルから調度品にいたるまで、手づくり感が溢れる店内


ワインは、350種類以上を取り揃える


右から山本耕資さん、長女の麻未さん、奥様の久美子さん、長男で四代目の真稔さん


「離れの宴」を直営するのが、創業65年の歴史をもつ「山本精肉店」


「特選フィレ肉 焼野菜とともに」わさびをきかせて


「前菜色々盛り合せ」(8500円・12000円コースの前菜5~6種盛り。仕入れの状況により一部変更あり)。手前から左回りで、アキレスの煮こごり、モモ肉のローストビーフ、自家製焼き豚、桜肉のベーコン、ひぞうを使った田舎風パテ、中心は食道網焼きのづけ


サーロインとハラミが一つに鍋に入る「すき焼」は肉屋ならではの逸品。
秘伝の割り下で


ワインの空きビンが並ぶ店内。
ピカソやシャガールなどの名画ラベルで知られるシャトー・ムートン



【推薦人】
藤井内科クリニック
藤井 芳夫 先生

■黒毛和牛とWINE 離の宴

神戸市灘区篠原南町7-2-5 TEL.078-882-4567
営業:12:00~13:30(L.O)/17:30~20:30(L.O)
[火・木]17:30~20:30(L.O)
定休日:第2・第4日曜日
3800円〜12,000円の5コース

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