2025年
3月号
3月号

ビフテキのカワムラで〝本物〟の神戸ビーフを心ゆくまで
ビフテキのカワムラ 西宮店
陽だまりのようなエントランスから、優雅ならせん階段を登り店内へ。大きな窓と煉瓦の壁、開放感と落ち着きを兼ね備えた店内はゆったりとしたプランニング。カワムラで唯一、4名の小さなテーブル席があり、小家族やデートにも。2室ある個室は白い石壁で明るい雰囲気。
西宮はもちろん、隣接する芦屋や宝塚などのほか、目の前の国道171号で結ばれる豊中や箕面など北大阪エリアからの来客も多いとか。郊外店ゆえファミリー利用が中心で、お子様向けサービスにも心を砕く。
オープンから36年、親子三代の常連さんも多い。昼は近隣のマダムやビジネスマンの普段使いで、夜は特別な日のお食事や家族団らんのディナーで賑わうが、いつ来ても変わらぬ珠玉の味で、舌の肥えた阪神間のグルメたちを唸らせている。
神戸ビーフのプロフェッショナル カワムラがお届けする神戸ビーフ講座⑪
神戸ビーフは横浜発祥?
今回からは、食肉や肉食文化という視点で神戸ビーフの歴史を紐解いてみましょう。
神戸より10年ほど早い1859年に開港した横浜では、外国人の増加で牛肉の需要が高まり、近郊の農村に牛を求めます。ところが肉食の習慣がなく殺生を嫌う日本人に断られるばかりで、朝鮮などから牛を仕入れ横浜でお肉にしていました。
やがて外国人たちは関西で牛の飼育が盛んだと知り、1865年より開港前の神戸港から牛を船で横浜へ運び、ここでと畜して食べるようになります。すると、神戸からやって来る牛の肉が旨いと評判になり、いつしか神戸ビーフとよばれるようになりました。つまり、神戸ビーフが最初に食されたのは神戸ではなく、実は横浜だったです。