6月号
対談 RANGE ROVER VOGUE 糸井嘉男と駆ける!
火を噴くバット、超絶のスピード、鮮やかなスーパープレーと、三拍子揃ったわが国最強の外野手、オリックス・バファローズ糸井選手。彼の愛車、レンジローバー・ヴォーグもまた、洗練されたスタイル、あらゆる路面状況での快適な走り、高級感溢れるインテリアが揃った名車だ。神戸マツダの橋本社長と、愛する野球やSUVの魅力について語り合った。
プロならではのプレーを
─糸井選手が野球をはじめたきっかけは何ですか。
糸井 小さい頃にみんながやっていたスポーツでしたので、自然な流れで野球をはじめました。当時から抜群に上手かった訳ではありませんでしたね。プロを本気で意識し出したのは高校の時です。近畿大学へ進学し、その後プロ入りしました。
橋本 プロ入り当時は投手でしたよね。150キロを投げるピッチャーだったと聞いていますが。なかなかそんな球を投げられるものではありません。
糸井 野球を始めたときからプロに入るまで終始一貫して投手でした。球速ばっかり求めていたので(笑)。でも、あまりいいピッチャーではなかったと思います。野手へのコンバートはプロに入ってからなので、決断には勇気が必要でした。
橋本 糸井選手のプレースタイルはスケールが大きいところもありますし、出塁率も高いですし、緻密な小技もできます。何でもできるオールラウンドプレイヤーというイメージです。対戦相手は非常にやりにくいでしょうね。
糸井 野球は9人でやるスポーツなので、一人ひとりが力を合わせないとうまくいきませんし、一人だけすごい選手がいても勝てる訳ではないので、チームプレーに徹することが大切です。でも、プロとしてファンを沸かせる、誰にもできないようなプレーをしたいとも思いますね。
糸井選手のような車
─神戸マツダがランドローバーを扱うようになったきっかけは何ですか。
橋本 神戸マツダではもともとジャガーを扱っており、ジャガー・ジャパンが、コモン・ブランドということで同じイギリスのブランドであるランドローバーを取り扱うようになったのがきっかけです。ちなみにランドローバーはブランドの名前で、レンジローバーは車種の名前です。SUVはいま、世界的に人気が高まっています。昨年は全世界で4百万台販売されていますが、2020年には2千万台になると予測されています。
糸井 5倍ですか!
橋本 はい。今までSUVに興味がなかった人や、アジアの新興国の人たちがSUVに目覚めると言われています。日本に関しては、男たるものやっぱり冒険心と言いますか、そういう風潮もありまして。最後はジャガーのようなクラシックでエレガントな車に乗りたいという人と、男らしい大きくワイルドな車に乗ってみたいという人と、2つのタイプに分かれますね。ですから今後、SUVはもっと普及していくと思いますね。
糸井 レンジローバー・ヴォーグは、運転していて本当に楽しいクルマですね!
橋本 レンジローバーはオンロード、オフロードどちらも走行性能が良いのが特徴です。オフロードではどんな道でも走っていきます。ランドローバーは世界唯一の四駆専門メーカーなんですよね。それに加え、内装はとてもきれいで「砂漠のロールス・ロイス」と評されています。まさに糸井さんと同様、オールラウンドプレイヤーです。
糸井 僕ももっと成長しないといけないですね!レンジローバーは昔からずっと気になっていました。外観も良いですけれど、内装に高級感があって、日本車のSUVにはない魅力があります。
橋本 糸井さんはショールームで白のレンジローバーヴォーグのロングをご覧になって決められたそうですが、特にこだわられたのが「白」でしたよね。
糸井 「白星を掴む」です(笑)。日本ハム時代 北海道では四駆がいっぱい走っていて、それを見て憧れていました。僕もいろいろ車で出かけました。毎日結果が求められるので、気分転換も必要です。ドライブはいい気分転換になりますから。
橋本 レンジローバーですと移動の時、リラックスしながら、しかし気持ちを高めるというのもあると思いますので、試合に行く前にも良いですよね。ゲームへのイメージを膨らませながらというのにはもってこいですよ。そして試合の終わった後も心地良い疲れとともに、特に勝利の後はちょっと遠回りをしてというのも良いですね。
糸井 要は、レンジローバーは全てを兼ね備えているということですね(笑)。
橋本 そう、糸井さんのような車なんです。糸井さんと同じで走攻守すべて揃い、安定感も、強さも、俊敏さも、しなやかさも兼ね備えています。
糸井 照れますね…(笑)。
橋本 そしてさらに高みを目指すところも同じです。ランドローバーのブランドメッセージは「ABOVE&BEYOND」、さらに高みへ、その先へというものなんです。
糸井 僕たちにも大切なことですね。
橋本 昨日より今日、今日より明日と成長を目指しているんですよ。糸井さんがトリプルスリーを目指しているように。
糸井 本塁打が一番目標に遠い数字なんですけれど、現役の間に一度は達成したいですね。達成できるように、それこそ先ほどの言葉じゃないですけれど、高みを目指して常に成長したいと思っています。
震災から20年の節目に
─糸井選手は2012年にオリックスに移籍し地元・関西でプレーするようになりましたが、いかがですか。
糸井 帰ってきたという気持ちになりましたね。今日の試合でも親が観戦に来てくれていましたが、北海道ですとなかなか来てもらえないですからね。ファンの声援も身近に感じます。北海道は失敗しても「がんばれ、がんばれ」みたいな感じですが、関西だとボロっかす(笑)。土地柄の違いですかね。
─今年は阪神・淡路大震災から20年になります。この20年を振り返っていかがですか。
橋本 震災から10年後と20年後では、また違った風に感じます。10年後は震災当時を思い出すとともに復興への感慨がありましたが、20年を迎えた今は当時を振り返るとともに、防災や減災に関して具体的な歩みをはじめるという意味があると思うのです。我々も兵庫県内で最も被害が大きかったディーラーのひとつでしたが、そこから多くのお客様や社員のおかげでここまで来ています。途中金融危機、リーマンショックなどもあり、一度縮小した時期もありましたけれど、これからは新たな成長に向けて、もっと本質を重視し、ブランドが何を目指しているのかということを鑑みながら、さらに上のステージを目指します。
糸井 震災当時、中学生くらいで、味わったことのないような強い揺れを感じました。京都はあまり被害がありませんでしたが、テレビで被災地の映像を観て衝撃を受けました。今日の試合は神戸で、「がんばろうKOBE」の復刻ユニフォームで臨みました。震災の年にオリックスというチームが優勝、翌年には日本一になって、そのユニフォームを着て今日プレーできるのはすごく幸せなことだと思います。当時の主力だったイチロー選手とは一緒に神戸で練習させてもらっていますが、一緒にいるだけで勉強になります。小学生がプロ野球選手を見るような眼で見ていますよ(笑)。神戸では年に20試合ほどプレーしますが、天然芝で屋外という球場はいま少ないので、気持ちいいですね。
橋本 神戸市民として、当時のオリックスの活躍は心打たれました。震災から20年の節目もさることながら、神戸という街が今そんなに元気がありませんので、何か元気の源になってほしいですね。
リーダーとして頂点へ!
─企業も野球も、組織が一丸となって上を目指していく訳ですけれど、リーダーとして大切なことは何でしょうか。
橋本 あまり目先のことにとらわれすぎないことではないでしょうか。ペナントレースも長いですので、先のストーリーを描いてやっていくことが大切だと思います。我々も創業70年の時に、80周年の時にどうなっていたいかという9年計画を組んだのですね。場当たり的ではなく、イメージをもって進んでいくことが大事です。
糸井 はじめてキャプテンをやらせてもらっていますが、小さい頃からずっとトップだった人が集まっている世界なので、それをひとつにするのはやはり難しいと感じています。でも、みんなついてきてくれますので。今シーズンのスタートは少し厳しい状況ですが、絶対に這い上がってみせます。何としてもビールかけしたいですからね(笑)。
─今後、ブランドをどのように育てていきたいですか。
橋本 我々の扱うブランドはメジャーではありません。しかし、ランドローバーでしかできない、ジャガー、または、マツダでしかできない、そういう「違い」が大切なのです。考え方とか、ドライバーに与える価値とかをもっと確立して「違い」を明確にするとともに、神戸マツダ独自のブランドをもっと深掘りして、お客様との絆を強くしていきたい。お客様の人生を豊かにするような車、そしてカーライフをきちんとお届けしたいと思います。あとはブランド体験の機会をもっと設けたいですね。例えばランドローバーの場合、オフロード試乗、ジャガーやマツダの場合は高速試乗など、そのような場を通じ「違い」をわかっていただければと思います。
─最後に、糸井選手に今年の目標を。
糸井 もちろん目標は優勝、日本一です。個人としてはトリプルスリーを常に目指しています。ファンの声援は大きな力です。ファンの期待に応えるのが選手だと思いますので、これからもがんばります!
4月19日、「TOOTH TOOTH maison 15th」にて
糸井 嘉男(いとい よしお)
オリックス・バファローズ
1981年生まれ。2003年日本ハムに入団、2013年にオリックスに移籍。ベストナイン4回、ゴールデングラブ賞6回受賞。昨季は首位打者を獲得。走攻守3拍子そろった球界屈指の万能外野手。今季はキャプテンを務める
橋本 覚(はしもと さとる)
㈱神戸マツダ 代表取締役社長
1961年生まれ。1985年一橋大学法学部卒業、同年住友銀行(現三井住友銀行)入行。ボストン大学にて国際銀行法学修士取得・ニューヨーク勤務等を経て1996年退職。2000年㈱神戸マツダ代表取締役社長就任。2002年ジャガー・ランドローバー・ディーラー協会理事就任