2012年
11月号
旧西国街道沿いにある、樽屋五兵衛・本店のお店先で高田社長とともに

ぶらり私のKOBE散歩 Vol.6

カテゴリ:KOBE散歩, おすすめスポット, 神戸

清盛がくれた、人とのつながり 地域の愉しみ

山端 秀明
Hideaki Yamabata

電鉄商事株式会社DTSコミュニケーションズ 
ゼネラルマネージャー
1969年3月神戸生まれ。本業のインターネット開発事業だけでなく、「結婚しようよ、神戸で!」を合言葉に、神戸のウエディング業界が取り組む「神戸ウエディング会議」や、平清盛関連プロジェクトなど、さまざまな取り組みにおいて中核メンバーとして参画。「世界レベルで通用する 神戸ブランドの構築が夢」と語る。

とにかくこの一年は、兵庫区内を中心におこなわれる清盛関連のイベントで走り回っている山端さん。お寺でカフェ、大仏のもとでお芝居…などなど、ユニークなイベントを通して、地域の人と、そしてここに集まってきた若者たちと、輪が広がっている。清盛ゆかりの兵庫津エリアの街歩きおすすめスポットと、山端さんお気に入りのお店を訪れた。

神戸の郷土料理“いかなご”を
地元のおっちゃんの話を聞きながら買ってほしい

最初に訪れたのは、江戸時代から続く海産物問屋「兵庫津 樽屋五兵衛」。いかなごのくぎ煮、神戸牛 牛肉ちりめんなどを扱う商店だ。社長・高田さんは歴史ある地・兵庫を地元企業・商店の力で盛り上げようという「よみがえる兵庫津連絡協議会」会長であり、山端さんも協議会メンバーとして活動している。「震災の年に母が、春にいかなごを炊いて全国のお知り合いに送ったんです。だからいかなごは震災復興の味でもあって、自分にとってとても大切な食べ物なんです」と山端さん。「いかなごは神戸で唯一ともいっていい郷土料理でしょう、観光客の方がそれをおみやげに買うときに、新幹線の駅で買うのもいいけど、こういうふうに、実際作っているおっちゃんの話を聞きながら買ってほしいと思うんです」。樽屋五兵衛本店の店先では、周辺の清盛めぐりを楽しむ人が足を止め、お茶がふるまわれることも。
「うちのいかなごは、日本で2番目に美味しいんです。1番は、それぞれのお家で炊くいかなごですからね」と高田さんは常々話していたが、このたびついにその名も「壱の一 いかなごくぎ煮」を発売。2~3月の間、その日の一番網漁の魚を一番釜で炊いたもので、とびきり新鮮な魚を秘伝のタレで味わう“一番”のくぎ煮だ。

昔ながらの味わいの「いかなごくぎ煮」「神戸牛 牛肉ちりめん」


本店での販売のほか大丸神戸店、芦屋店に出店


旧西国街道沿いにある、樽屋五兵衛・本店のお店先で高田社長とともに


樽屋五兵衛のスタッフの皆さんと

■兵庫津 樽屋五兵衛

TEL.078-652-1620
神戸市兵庫区本町2-1-23
10:00~17:00 無休

音楽の神様・弁財天を祀る真光寺でギターとサックスのライブ演奏

清盛が日宋貿易の拠点とした大輪田泊周辺、兵庫津に街歩きに出かける。
清盛が出家したお寺といわれる、能福寺の茶屋では、平安時代の食を想定した「平安の旨味」とかりがね茶のセット(500円)が人気。毎週土曜・日曜には、境内でお芝居のパフォーマンスが披露されている。
清盛塚の近くの真光寺は、清盛が厳島神社を勧請して弁財天を祀ったお寺。音楽をつかさどる神様・弁財天にちなみ、ここではギターとサックスの生演奏が土曜・日曜におこなわれている。茶屋では、コーヒー、紅茶を抹茶のように泡立てたミルクとともにいただく「清盛泡立珈琲膳」「清盛泡立紅茶膳」(各600円)がおすすめ。ふわりとした泡がほのかな甘さでおいしく、スコーンとともに。
お茶屋でのおもてなしやパフォーマンスは、着物姿の「清盛茶屋お接隊」が行っている。

真光寺ではギターとサックスのライブ


平安のコーヒーとスコーン「清盛泡立珈琲膳」


兵庫大仏のもとでお芝居のパフォーマンス(毎週土曜・日曜)

シャッターが半分だけ開いているおかき工場
知る人だけが買っていく

 能福寺の裏手にある、あられ・おかきの製造・直売「ハブタ商店」は、1948年から3代続く揚げ菓子の工場。朝早くから工場内でおかきが揚げられている。半分だけ開いたシャッターの向こうでは、玄関先にちょっとした販売コーナーがあり、「清盛あられ」(500円)などオリジナル商品が並べられている。朝早く来たラッキーな方には、揚げたておかきが試食できたりもするといい、直接大量購入していく人もいるという。工場から直接おいしい手焼きのおかきが買える、こんなところも町工場の楽しみのひとつ。

3代目の若奥様・土生田由美江さんと


工場2階では袋詰め作業中


■ハブタ商店

神戸市兵庫区北逆瀬川町4-14
TEL.078-652-8575

夫婦そろって、中村さんの作るお料理のファン

さて最後に、山端さん夫妻がよく訪れる、イタリアンバルをご紹介。シェフをつとめる中村由美子さんが、前のお店にいたときから彼女の料理が好きだったという山端さん夫妻、「中村さんにその日食べたいものを言って作ってもらっている」からメニューはあまり知らないという。お酒を飲まない山端さんが好きなのは特製のフレンチトースト(メニューにはなかった)。お酒を飲む人と飲まない人が一緒に来てそれぞれにおいしく食事ができるこのお店、お客さんも、カフェ使い派、きちんとお食事派、バー使い派などさまざまで、年齢層も幅広いとか。「お友達に紹介してもみんなこのお店のファンになってしまうんですよ」と。ランチはパスタランチ(900円~)、自家製生地のピザ(950円~)、日替わりのランチコース、ディナーコースも。イタリア文化に親しんでほしいと、リモンチェッロなどの食後酒をはじめお酒も豊富。ちなみに看板やロゴデザインは山端さんが手がけ、マチルダという猫が、異人館から神戸の街を眺めているというすてきなデザイン。

山端さん夫妻と、可愛らしいのに腕のたつシェフ・中村さん


前菜盛り合わせ、ラザニア、イタリアのビールとともに


山端さんのお気に入り
「特製フレンチトースト」



■matilda

TEL.078-392-5223
神戸市中央区下山手通2-11-26
ランチ12:00~15:00
ディナー18:00~24:00(23:00 L.O.)

月刊 神戸っ子は当サイト内またはAmazonでお求めいただけます。

  • 電気で駆けぬける、クーペ・スタイルのSUW|Kobe BMW
  • フランク・ロイド・ライトの建築思想を現代の住まいに|ORGANIC HOUSE
〈2012年11月号〉
第2回 神戸マラソン開催
第2回 KOBE豚饅サミット2012
ぶらり私のKOBE散歩 Vol.6
フロントアート
特集 ー扉 ネットワークのちから
情報と人間を結ぶ新技術|ネットワークのちから
健康と科学に奉仕する専門商社|ネットワークの ちから
横尾忠則に会いに行こう!|ネットワークのちから
「あります」(仮称)プロジェクト〜水を売ってまちづくりに〜進行中!
桂 吉弥 今も青春 【其の三十】
秋の紅葉スポット 神戸市立 森林植物園
秋の紅葉スポット 神戸市立 須磨離宮公園・植物園
王侯貴族のバラ園へようこそ 神戸市立須磨離宮公園
【特集】秋の有馬−扉
【特集・秋の有馬】 有馬グランドホテル
【特集・秋の有馬】 中の坊瑞苑
【特集・秋の有馬】 有馬ロイヤルホテル
【特集・秋の有馬】 角の坊
【特集・秋の有馬】 月光園 鴻朧館・游月山荘(こうろうかん・ゆうげつさんそう)
【特集・秋の有馬】 兵衛向陽閣
【特集・秋の有馬】 竹取亭円山
【特集・秋の有馬】 銀水荘 兆楽
【特集・秋の有馬】 ねぎや陵楓閣
【特集・秋の有馬】 陶湶 御所坊
神戸に乾杯! 有馬温泉編
有馬温泉後継者塾
有馬みやげ 新旧
有馬温泉ガイドマップ
「山崎」「白州」を ハイボールで楽しむ
酒どころ「伊丹」のおすすめうまいもん
みんなの医療社会学 第二十三回
神戸市医師会公開講座 くらしと健康 62
田辺眞人のまっこと!ラジオ人物事典「神戸っ子出張版」11
里親ケースワーカーの 〝ちょっといい お話〟
神戸鉄人伝(こうべくろがねびとでん) 芸術家女星編 第34回
関西の地球人
KOBEアスリートドリーム! 子どもたちの未来へのメッセージ32
浮世絵にみる 神戸ゆかりの「平清盛」 第11回
触媒のうた 21