2月号
婦人の力で より良い街を
神戸市婦人団体協議会
会長 玉田 はる代さん
神戸市婦人団体協議会は、神戸市内の主婦たちが集まり、様々な分野で学び、見識を高め、女性の幸せのために活動し、市政にも働きかけ、よりよい街づくりに貢献している。「自分のため、地域のために、一緒に活動しませんか」と話す玉田会長にお聞きした。
―神戸市婦人団体協議会は長い歴史を持っていますね。
玉田 2009年に60周年を迎えていますから、もう64年目ですね。戦前から婦人会というものはあったのですが、戦後、民主主義の社会になり婦人の地位向上を目指そうと、当協議会ができたと聞いています。
―現在、会員は何名ですか。
玉田 震災後は会員数がかなり減ってしまいましたが、神戸市全体で125団体、8万人を擁しています。
―やはり若い会員が不足していますか。
玉田 そうですね、若いお母さん方は最近、子どもさんの手が離れると働きに出られますから、なかなか時間がないようですね。
―主な活動内容は。
玉田 当協議会は社会教育関係団体ですので「学ぶ」ということが基本にあります。また、消費者問題にも積極的に取り組んでいます。平成12年には、NPO法人輝グループを立ち上げました。現在約45団体が各区でデイサービスや配食サービス、家事支援、子育て支援をはじめ、文化、環境、交流、街づくりなどの分野で活動しています。若い人たちにも興味を持っていただけたらいいなと思っています。
―婦人市政懇談会とは。
玉田 当協議会設立の趣旨「学ぶ」という観点から、女性も身近な政治の一環として学習しようと40年以上続けている活動です。各単位婦人会でグリーンカードを配り、女性の視点での疑問や要望を集めます。各区の懇談会で区長を交えて話し合いながらとりまとめ、毎年12月の全市総括集会で市長宛てに要望書を提出しています。翌年4月には各担当部局から、きちんとした冊子で回答書をいただきます。これをきっかけに、制度づくりや施設づくりなど、街のちょっとした環境整備まで大小様々な成果が生まれています。市バス路線や増便の要望、区民ホールや児童館の建設などがあります。灘区では、JR灘駅の橋上化、摩耶ビューラインの存続を区民の要望として提出し、廃止の撤回をしていただきました。
―あじさい講座とは。
玉田 あじさい講座は、神戸市の地域協働型生活文化育成事業で、各区の勤労市民センターや区民センターで色々な文化講座を開催しています。また、子育てふれあい教室も開いています。灘区では、無料保育付きで料理のコツ伝授や季節の行事伝承など子育て中のお母さんの支援にも力を入れています。
―婦人大学も委託されているのですか。
玉田 神戸市から委託されています。あすてっぷKOBE(男女協働参画センター)を会場に、本科3年、研究科2年を設けて、女性の自立と積極的な社会参加のための基本的能力を身に付けることを目的としています。卒業生の中には、当協議会のリーダーになっていただいている方も多くおられます。
―リーダーというのは。
玉田 女性問題や生活文化、環境、健康、会員福祉、情報など11分野の実行委員会を置き、そこで学習した成果を各地域に持ち帰りリーダーとして役目を担います。
―ハミング広場とは。
玉田 昭和46年、神戸市が始めた「グリーンコウベ作戦」に私たちも賛同し、街角のフラワーベースに花を植えて、皆さんに見ていただくようにしています。現在、市内141箇所に1576基のプランターを置き、毎年1回、その中から30箇所を選びコンテストをします。このハミング広場は、環境について学んだ自然環境のリーダーが中心になって進めています。
―会長はどのようにして決まるのですか。
玉田 協議会の会長は毎年、総会で選出されます。
―協議会の会長になられていかがですか。
玉田 様々な分野の会議に出席させていただき、色々な知識や情報をいち早く得ることができると思っています。皆さんと一緒に活動することで充実感があります。
―灘区は地域で横のつながりが強いと聞きますが、灘区連合婦人会と地域との連携は。
玉田 そうですね、灘区の気風でしょうか。「灘百選」で選ばれた場所の魅力を広めたいと思い、順次場所を変えて一日限りの酒ビンの灯や行灯をともすイベント「灘・夢ナリエ」を毎年開催しています。その場所に合ったテーマを決め、行灯には小学生や幼稚園の子どもたちが絵を描いてくれています。「あかりの盆」として始めてから数えて昨年で10回目を迎えました。色々な団体のご協力をいただき、灘区の各財産区、(株)神戸製鋼所、沢の鶴(株)、萩原珈琲(株)をはじめ、多くの企業から協賛をいただいています。準備は大変ですが、このイベントを開催するようになってから当連合婦人会も地域とのつながりが強くなり、皆さんと仲良くなれたと思っています。震災後唯一残った灘の酒蔵、沢の鶴の西村社長さんも地域のことをとてもよく考えてくださっています。海辺から山まで菜の花を植えるという夢を持っておられて「菜の花まつり」を主催されています。連合婦人会でも灘区の木と花である桜と菜の花を使った灘の春いけばな展で協力させていただいております。
―神戸に住む女性たちに向けてメッセージをお願いします。
玉田 婦人会と聞くと皆さん忙しいと思われるようですが、案外そうでもないんですよ。色々な方とお会いでき新しいことを知ることもでき、自分の勉強にもなりますし、地域の役に立つこともできます。ぜひ婦人会にも目を向けていただけたらと思っています。
玉田 はる代(たまだ はるよ)
神戸市婦人団体協議会 会長
1946年生まれ。短期大学卒業後、2年弱設計事務所に勤務。1968年結婚と同時に婦人会に入会する。1989年頃からリーダーとして婦人会活動に参加する。1992年原田婦人会会長。2002年灘区連合婦人会会長、2012年神戸市婦人団体協議会会長、神戸市消費者協会会長、灘区地域の摩耶山再生の会会長に就任。現在に至る。