1月号
六甲アイランドではばたけ!未来の「なでしこ」たち
元日本代表 INAC神戸レオネッサOG
INAC神戸ガールズサッカースクール コーチ
藤村 智美さん
東日本大震災で打ちひしがれた日本を、ワールドカップ優勝で大きく勇気づけた「なでしこジャパン」。その主力選手が多く所属するINAC神戸レオネッサのクラブハウス・練習場と、スクール「INAC神戸ガールズサッカースクール」が六甲アイランドにある。子育て世代が多く活気に満ちたこの地で、子どもたちがいきいきとボールを追っている。その様子をコーチの藤村智美さんにうかがった。
現役時代は日本代表で活躍
私は18歳でプロになり、三重のプリマハムに9年間所属し、日本代表としても約20試合出場しました。27歳の時、故郷の神戸に帰り違う仕事をしようと思って一度引退を決めたのですが、ちょうどINACから声がかかって引退を撤回し、ここで4年間プレーしました。
私が現役の頃は日本代表も今みたいに注目されていなくて、女子サッカー界もシドニー五輪に出られなくなったことで支援が撤退し、厳しい時代でした。バイトしながらプレーしていた時期もあり大変でしたが、全然辛くなかったですね。代表としてW杯や五輪に出場できなかったことは悔いが残りますが。
INACを引退後、セレッソ大阪のスクールコーチをしていたのですが、男子のスクールだったので、女子サッカー界に戻りたいという気持ちが強くなって…。それで、1年で再びINACに戻りスクールコーチになったのですが、当時は生徒がたった4人だったんです。
ワイワイ楽しく、のびのびと!
現在、スクールの生徒は約70人に増えました。確かに一昨年のなでしこのW杯優勝やINACの活躍も大きいですが、それからもう2年経って感じるのは、クチコミの力ですね。コミュニティが発達しているからでしょうか、チラシを見て来てくれるより、噂を聞いて来たとか、友達を呼んで来たとかというケースが多いのです。ですから4人からスタートして地道にやってきた成果だと思います。
男の子と女の子では全然違います。男の子はこちらが女性というだけでなかなか認めてくれないんですよ、小さい子でも(笑)。ですから女の子の方がやりやすいですね。ワイワイ楽しみながら元気にやっています。
生徒は幼稚園から小学生の女の子で、担当は小学1・2年生です。はじめてサッカーをする子が多いので、サッカーの楽しさを教えたいのです。とにかく褒めて、のびのびと。プレーに関しては怒りません。でも、人のせいにする時だけは怒ります。
スクールで街に活気を
現在、4つのクラスを設けてそれぞれコーチがつくほか、トップ選手の若手が交代で指導にあたっています。選手も教えることで勉強になるんです。練習は週1日。生徒はそれぞれ別チームに属していて、ここは塾みたいな感じです。みんなここで友達に会えるのが楽しいようです。むしろ親御さんを満足させる方が大変です(笑)。でもみなさん優しいですよ。
女の子だけのスクールは神戸でここだけ。ですから遠くから通う子も多く、島内の生徒は多くはありませんが、少しずつ増えています。多くの子どもたちがもっと楽しめるように、スクールを大きくしたいですね。街に活気を与えられるかもしれませんし、選手のセカンドキャリアの受け皿にもなるでしょう。
六甲アイランドはもともと好きで、現役時代もよくご飯を食べに来ました。緑も多く静かですよね。大阪も近いし、交通も便利。子どもたちは元気ですし、街に「若さ」を感じます。
INAC神戸キッズサッカースクール(U-6)
神戸市東灘区向洋町中7-1-1
TEL.078-822-0179
対象/年中・年長の男女
時間/毎週木曜18:00~19:00
月会費/4,000円
INAC神戸ガールズサッカースクール
受付 平日10:00~16:00
対象/小学1年生から6年生の女子
時間/毎週木曜18:00~19:30
月会費/6,000円
e-mail:school@inac-kobe.com
http://inac-kobe.com/academy/school.html