8月号
まごころをこめて|伊丹 里江 <カワノ株式会社 営業企画本部 企画開発室主任> 池田 悠二 <カワノ株式会社 営業企画本部 企画開発室係長>
まごころをこめて
神戸のクラフトマンたち
靴のまち神戸を代表するシューズブランド・カワノ株式会社に、デザイナーとパタンナーの若手2人を訪ねました。デザインから製造、販売まですべて自社で行うカワノだからこそ、現場同士が連携し細部までスピーディーに対応できる強みがある中で、「良いものしか売れない」を実感していると話します。
メイドイン神戸を代表するカワノのシューズは、履きやすさ、歩きやすさの機能性と、デザイン性を兼ね備え、働く女性や、子育て中の女性、年を重ねてもおしゃれを楽しみたい世代まで圧倒的な支持を得ている。
デザイナーは女性ばかり5人。カワノのブランドの中でも代表的な「バークレー」のデザインを手がける伊丹さんは、「トレンドを取り入れつつも、伝統的なカワノのトラッドな雰囲気をどこかに漂わせることを心掛けています」と話す。年2回の展示会に合わせてヨーロッパに出向き、日本にはないデザインを目にして刺激を受けるという。
デザイナーの描いた画を形にしていくのが設計担当(パタンナー)の池田さん。「デザイナーとの話し合いはひんぱんに行います。デザインが良くても実際に足を入れて歩くのはお客様。カワノがもつ木型に、レザーを吊り込む(型に合わせていく)作業はもっとも大切で、それが履いたときのデザインと、履き心地の良いラインにつながっていきます」。
今は、良いものを作らないとまったく売れない、という時代。ものづくりの喜びは、「実際自分がデザインした靴を、履いている人を街で見かけたとき」と伊丹さん。「しかも神戸や大阪のお出かけスポットで、おしゃれとして履いていただいているのを見たとき。あのデザイン、苦労したなと思い出したりして、でもそれが一発で吹き飛びます」。池田さんもまったく同感だと言う。「僕らのような職人は、中で働いていると腕自慢みたいになってしまう。でも実際に履いていただかないと意味がないですから。じゃあもっと良いものにしよう、と、この仕事には終わりがないです」。
カワノ株式会社 営業企画本部
企画開発室主任
伊丹 里江さん
カワノ株式会社 営業企画本部
企画開発室係長
池田 悠二さん
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